菊地大司教

    週刊大司教第二十三回:復活節第四主日

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    三度目となりますが、政府から緊急事態宣言が出されることになりました。期間は4月25日から5月11日までとされ、東京教区では東京都がその対象となっています。千葉県は、先に発令されているまん延防止等重点措置が、5月11日まで続くものと思われます。

    さまざまな対策が行政側から発表されていますが、東京大司教区としては、これまで行ってきた感染対策を徹底して、互いのいのちをしっかりと守る行動を続けたいと思います。祈りの時を共有し、御聖体の秘跡にあずかる機会を失わないように、基本的にはミサの公開を継続しますが、小教区の状況によっては、主任司祭の判断で非公開とされる可能性もあります。教区からの公示は、こちらのリンク先をご覧ください

    また、4月29日に予定されている、小田助祭と古市助祭の司祭叙階式は予定通り執り行いますが、感染対策のため、参加者の限定と式の簡素化をさせていただきます。詳細はこちらのリンク先をお読みください。困難な時期に叙階される二人の新司祭のために、お祈りくださいますと幸いです。

    困難な状況が継続していますが、互いに集まりともに祈り合えないときであるからこそ、それぞれの場でのお祈りを深めてください。特に、この困難な状況から一日も早く抜け出すことが出来るように、闇に光がさすように、いのちが守られるように、医療関係者の健康が守られるように、病床にある方々の回復のために、祈りをささげましょう。これまでも、お祈りくださっていることに感謝するとともに、感染対策をあらためて引き締めるのと同様、祈りを続け深めることも、心を引き締めて継続いたしましょう。

    教皇様は昨年も5月に、ロザリオの祈りをとおして、パンデミックという試練を乗り越えることが出来るように、聖母の取り次ぎを祈るように呼びかけられました。そのときの教皇の呼びかけの言葉です。

    「親愛なる兄弟姉妹の皆さん、わたしたちの母マリアの心でキリストのみ顔をともに観想することは、霊的な家族としてのわたしたちの結びつきをさらに強め、この試練のときを乗り越える助けとなるでしょう。わたしは皆さんのため、とくにもっとも苦しんでいる方々のために祈ります。皆さんもわたしのために祈ってください」

    今年は、教皇様の呼びかけに応え、新福音化推進評議会が、5月の間、世界中の30の聖母巡礼所と共に、「ロザリオ・マラソン」を提案しています。間もなく始まる5月は聖母月です。わたしたちも教皇様の呼びかけに応えて、この5月に、パンデミックの収束を願って、ロザリオの祈りをささげましょう。この提案のテーマは、使徒言行録12章5節の、牢に捕らわれたペトロのために教会共同体が祈ったという記述からインスピレーションを受けて、「教会では熱心な祈りが神にささげられていた」とされています。

    東京教区でも、通常土曜日夕方に配信している「週刊大司教」に加えて、わたしと一緒にロザリオを唱えていただけるようなビデオを、五月中定期的にyoutubeで配信する予定で準備しています。一緒に祈りをささげてくださいますと幸いです。

    祈りには力があるとわたしたちは信じています。ヤコブの手紙5章16節に「だから、主にいやしていただくために、罪を告白し合い、互いのために祈りなさい。正しい人の祈りは、大きな力があり、効果をもたらします」と記されているとおりです。

    なお一番上の写真は、4月28日までの予定で、カテドラルのケルンホールで開催されている、『「ミャンマーの平和願う写真展」アウンサンスーチーと家族の写真を中心に』を昨日訪れたときのものです。4月28日まで、「ビルマ応援の会」が主催して、11時から4時まで行われております。

    以下、復活節第四主日の週刊大司教メッセージ原稿です。なおメッセージでも触れているように、この主日は、世界召命祈願日でもあり、司祭・修道者の召命のために、特にお祈りと献金をお願いする日でもあります。
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    復活節第四主日
    週刊大司教第23回
    2021年4月25日前晩

    「わたしは良い羊飼いである」とイエスはヨハネ福音で宣言されます。「良い羊飼い」がいるのであれば、「悪い羊飼い」もいるのでしょうが、それをイエスは「自分の羊を持たない雇い人」と述べ、羊のことを自らの一部として心にかけることのない者だと指摘します。すなわち神は、ご自分が賜物としていのちを与えられたわたしたちを、ご自分の羊、ご自分の一部として心にかけ、その羊のためならば命をかけるとまで宣言されます。その上で、イエスは、ご自分の羊となっていない羊の存在をも心にかけ、「ひとりの羊飼いに導かれ、一つの群れになる」ことが最終的な目的であることを明示します。

    使徒言行録は、ペトロとヨハネが共に、足の不自由な人をいやしたことで捕らえられ、議員、長老、律法学者たちから、「お前たちは何の権威によって、誰の名によってああいうことをしたのか」と尋問を受けた時の、ペトロの答えを記しています。自らが権威をもって人々を教え導いていた議員、長老、律法学者にしてみれば、自分たちこそが民の指導者、すなわち羊飼いであるとの自負があったことでしょう。それを打ち砕くように、どこの誰とも分からないペトロたちが人々からの賞賛を浴びていたのですから、困惑や妬みから、二人をゆるすことが出来なかったのかもしれません。

    それに対してペトロは、イエスこそが救いをもたらす真の羊飼いであることを、高らかに宣言します。しかもその羊飼いは、すべての人の救いのために、すでに自らの命を捨ててその愛をあかししているのです。人々から見捨てられた主は、今や復活されて、動くことのない隅の親石として世界を支配しているのだと、明確に宣言します。

    イエスご自身が明示されたように、「ひとりの羊飼いに導かれ、一つの群れになる」ことが最終的な目的であるならば、ペトロがそうしたようにわたしたちも、真の羊飼いの存在を高らかに告げしらせなければなりません。使徒ヨハネも手紙に、「世がわたしたちを知らないのは、御父を知らなかったからです」と記していますが、そうであればこそわたしたちは、御父の存在を告げしらせなくてはなりません。

    教会は復活節第四主日を、世界召命祈願日と定めており、司祭や修道者への召命のために特に祈りを捧げる日となっています。例年であれば、教区の一粒会が主催して、この日の午後に東京のカテドラルでは、神学生や志願者を招いて召命祈願ミサが捧げられてきました。残念ながら、昨年に続いて今年も、このミサは中止となりましたが、あらためてみなさまには、司祭・修道者への召命のために、またその道を歩んでいる多くの方のために、お祈りくださるようにお願いいたします。

    もちろん召命を語ることは、ひとり司祭・修道者の召命を語ることにとどまるのではなく、すべてのキリスト者に対する召命を語ることでもあります。司祭・修道者の召命があるように、信徒の召命もあることは、幾たびも繰り返されてきたところです。わたしたち皆が、ペトロに倣って、真の羊飼いの存在を高らかに告げしらせる、言葉と行いによるあかしの業に取り組まなくてはなりません。

    同時に教会共同体には、真の牧者に倣ってそれぞれの群れを導く牧者も必要です。生活のすべてを賭けて福音をあかしする修道者も必要です。世界召命祈願日にあたり、信徒一人ひとりが固有の召命に目覚め、また司祭修道者の召命に目覚める人がひとりでも多くあるように祈りましょう。

    参考までに、教皇様の世界召命祈願日のメッセージは、こちらのリンクからお読みいただけます。

    東京大司教タルチシオ菊地功