大司教

教皇様の来日の可能性が、高まりました

2018年12月23日

vat181203最終的には、教皇庁からの公式の発表がなければ確実とはいえないのですが、しかし、教皇様の日本への司牧訪問の可能性が、限りなく具体的になりました。

12月17日の月曜日は、教皇様の82歳の誕生日でした。前田枢機卿様は、6月の枢機卿親任の時から、名義教会の着座を12月16日と教皇庁と打ち合わせ、その際に、17日に教皇様への個人的な表敬訪問の約束を取り付けておられました。

枢機卿たちは教皇の顧問ですから、比較的自由に、教皇様との個人謁見の予約を取ることができます。

ところがその間、9月には教皇様が、2019年中の来日の可能性に公の場で言及されるという事態が生じました。そこで、急遽、その謁見の約束を利用させて頂いて、大阪、長崎、東京の三人の大司教が教皇様にお会いして、来日の可能性についてお伺いを立てることになりました。

というわけで、わたしは、当初の予定にはなかったのですが、急遽、12月16日の前田枢機卿名義教会着座ミサに出席し、さらに17日には教皇様や国務長官、18日には福音宣教省長官や列聖省長官と面談することに相成りました。

17日は、午前11時頃、誕生日と言うこともあっての特別の配慮で、前田枢機卿様に同行した25名ほどの日本からの巡礼団は、ケーキを持って教皇宮殿に入り、なんと、執務室の前室まで入れて頂き、そこで教皇様に直接、誕生日のお祝いを申し上げることができました。

そこで教皇様は、「この集まりは、私の訪日の食前酒みたいなものですね」といわれ、改めて訪日の意思を明確に示されました。

その後、前田枢機卿、高見大司教、私、アベイヤ司教、通訳の和田神父と教皇様の執務室で謁見。そこで教皇様からは、明確に、来年末頃(10月から12月の間)に、日本を訪れたい旨の発言がありました。教皇様は来年の日本における政治スケジュールをご存じで、そのように時期を希望されておられました。具体的な日時は、バチカンと日本政府との交渉で最終的に決まることですので、訪問の期間を含めて、今後の公式発表が待たれます。

教皇様からは、日本の高齢者の状況や青年たちの状況、そして核廃絶への取り組みへの質問があり、そのような教皇様の関心に基づいて、今後、日本におけるメッセージが準備されることになるかと思います。

同時に教皇様は、東北をはじめとした地震や津波の被災者の方々への思いも述べられ、この教皇様の思いをどのように具体化するか、これから考えていかなくてはなりません。

最終的には、日本滞在が何日になるのかで、具体的にできることが決められてくるのですが、教皇様の年齢や体調、その後のスケジュールも勘案しながら、できる限り多くの方々と会う機会を設ける努力をしたいと思います。

多くの方が、様々な思いや願いを持って、教皇様の訪日を待たれているとは思いますが、与えられる時間をどう生かすのか、そこに関わるのが教会だけではなくバチカンと日本の政府という関係もありますので、できる限り、教会の意向が尊重されて、司牧訪問が最優先されるように願っています。

(「司教の日記」2018年12月20日の投稿より。)