教区の歴史

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2014年東京教区修道女連盟新年の集いミサ説教

2014年01月04日

2014年1月4日 麹町教会

[聖書朗読箇所]

説教

皆さん、明けましておめでとうございます。

2013年はわたしたちカトリック教会にとって大きな変動の年でありました。ベネディクト十六世が引退され、教皇フランシスコが選出されました。この大きなうねりの中、勇気と希望をいただき、決意を新たにして、2014年を神様におささげいたしましょう。

使徒ヨハネはヨハネの手紙中で悪魔について述べています。

「悪魔の働きを滅ぼすためにこそ神の子が現れたのです」(一ヨハネ3・8)。

最近、とみに悪の存在ということを感じます。この世界にも、そしてわたしたちの心の中にも悪の力が働いていると感じます。司祭はいつもミサの聖体拝領前、「主の祈り」本文の後、副文で次のように祈ります。

「いつくしみ深い父よ、すべての悪からわたしたちを救い、現代に平和をお与えください。あなたのあわれみに支えられ、罪から解放されて、すべての困難に打ち勝つことができますように。」

今年も、自分自身の悪と罪、そして現代世界の悪と罪との戦いの日々をささげます。聖母のご加護を切に祈りましょう。

今日の福音でイエスの最初の弟子たち三人の召命を述べています。この三人とは、ヨハネ、アンデレ、ペトロでした。使徒ヨハネは、イエスと出会ったのは午後4時ごろであったと述べています。このときから彼らの新しい人生が始まったのです。

さて、新しい年2014年を迎えたわたしたち東京教区の召命は何でしょうか。

教皇ベネディクト十六世の自発教令『信仰の門』により始まった「信仰年」は2013年11月24日の「王であるキリスト」の祭日で終了いたしました。

教皇ベネディクト十六世の教え『信仰の門』のなかで「信仰の創始者(導き手)であり完成者であるキリスト」(ヘブライ12・2)に言及しています。

わたしたちはナザレのイエスの生涯はすべての信仰者の生き方の基準であり模範であると考え、信仰年においてはより深くイエス・キリストを知るように努めました。

信仰年を迎えるに際し出された大司教書簡「『信仰年』を迎えるにあたり」のなかでわたくしは以下の5項目の実行を心がけるようお願いいたしました。

  1. イエス・キリストをより深く知る。

  2. 第二ヴァチカン公会議と『カトリック教会のカテキズム』を学ぶ。

  3. 『信条』を学ぶ。

  4. 典礼と秘跡、日々の祈りと黙想

  5. 信仰と愛のあかし

皆さんにはまず「信仰年」の振り返りをしていただきたいとお願いいたします。その際非常に有益な助けとなり手がかりになる恵みが与えられました。

それは教皇フランシスコの新しい使徒的勧告『福音の喜び』Evangelii Gaudium (2013年11月24日)です。

非常にわかりやすく明快かつ具体的な内容であり、励ましと希望を豊かに含んでいます。

たとえば「説教」について多くの部分を割いています。説教で苦労しているわたしたちには非常に有益です。ぜひ皆さんとこの文書の内容を分かち合う機会を設けたいと考えております。

なお2014年、2015年は二回にわたりシノドス(代表司教会議)が開催されます。主題は「福音化を目指しての家庭司牧の課題(Pastoral Challenges to the Family in the Context of Evangelization)です。

司教協議会としてもこの課題に真摯に取り組む所存です。そのために今までの「家庭をめぐる福音化」の取り組み、第二回福音宣教推進全国会議、あるいは「いのちへのまなざし(司教団のメッセージ、教書)」などを振り返りながら、問題の確認と分かち合いをすることが必要と考えます 。

なお、この機会に東京教区の優先課題を思い起こしてください。次の三項目です。

  1) すべての信者の霊的成長(信仰の生涯養成)

  2) 多国籍教会としての成長と互いのサポート(CTICなどの活動)

  3) 心の問題へ理解と助け合い

この三項目は既に述べました課題、すなわち

『福音の喜び』を手引きにして行う「信仰年」の振り返り

「家庭における福音化」

と深く結びついています。とくに信仰の生涯養成という課題を、教区としても、より具体的に策定したいと考えております。

わたくしは、教会、とくに東京教区が、さまざまな困難の中で迷い苦しむ多くの人々のオアシスとなり、人々に支えと励まし、助けと導き、光と希望をもたらす信者ネット・ワークであって欲しい、そのような共同体として成長していきたいと心から願っています。

なおまた2014年12月8日は東京カテドラル聖マリア大聖堂の献堂からちょうど50周年にあたります。ケルンへの感謝を新たにしながら東京教区の使命の遂行に励みたいと思います。

皆さんのご理解ご協力お祈りをお願いいたします。