着座記念ミサ説教

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    2011年9月4日 年間第23主日 東京カテドラル関口教会にて

     

    第一朗読 エゼキエル書(エゼキエル33・7-9)

    第二朗読 使徒パウロのローマの信徒への手紙(ローマ13・8-10)

    福音朗読 マタイによる福音(マタイ18・15-20)

     

    1.使徒パウロは今日の第二朗読で、どんな掟があっても、すべての掟は「隣人を自分のように愛しなさい」と言う言葉に要約されます と教えています。わたしたち東京教区の使命は現代の荒れ野である日本の社会の中でこのイエスの教えを実行することです。関口教会の皆さんには「東京カテドラルと教区のための祈り」をささげてくださるようお願いしております。

    本日の福音で主イエスは言われました。

    「はっきり言っておくが、どんな願い事であれ、あなたがたのうち二人が地上で心を一つにして求めるならば、わたしの天の父はそれをかなえてくださる。二人または三人がわたしの名によって集まるところには、わたしもその中にいる。」(マタイ18・20)

    今日は「東京カテドラルと教区のための祈り」をささげながら、日々東京教区の神の民が、この使命を実行できますよう祈りましょう。

    2.また、本日のミサは大司教着座記念11周年のミサであります。着座式の説教でわたくしは次のように申し上げました。

    「弱い立場におかれている人々、圧迫されている貧しい人々にとって、やすらぎ、慰め、励まし、力、希望、救いとなる共同体として成長するよう力を尽くしたい。」

    この決心を実行できますように皆さんのお祈り、ご理解、ご支援を切にお願いする次第です。

    3.9月11日は東日本大震災が起こってちょうど半年となる日です。「カトリック中央協議会と日本キリスト教協議会の共催で「3.11東日本大震災を心にとめ、死者への追悼・被災者への慰め・被災地の再生を求める礼拝」が同日上野の下谷教会で行われ、わたくしがカトリックを代表して共同司式いたします。

    わたくしは3月11日以来この災害についてずっと思いをめぐらしてきました。

    神は天地万物をお造りになり、それを、極めてよい、とされました(創世記1・36)。それならなぜこのような大災害がおこるのだろうか、という疑問が起こります。

    わたしはこの疑問に対する回答の手がかりとして、使徒パウロのローマの信徒への手紙8章の言葉を思い出し、その意味を思い巡らしてきました。

    パウロによれば、人間以外のすべての被造物も現在虚無に服し、共にうめき、共に産みの苦しみを味わっています。そしていつか、被造物は滅びへの隷属から解放されて、神の子たちの栄光に輝く自由に与ることができる、と言っています。

    パウロは人間の救いと全被造物の解放を結び付けています。救われなければならないのは人類だけでなく全宇宙でもあるのです。(ローマの信徒への手紙8・18-22参照)

    4.実は、神の創造は一時に行われたのではありません。今も行われており、世の終わりまで行われる神の救いのみ業であります。

    全被造物が解放され救われるときは主キリストの再臨のときであり、そのときに〈新しい天と新しい地〉(黙示録21・1)が実現するのです。

    わたしたちはこの希望によって励まされて日々神の創造のみ業に協力して日々歩んで行くのだと思います。パウロは言っています、「わたしたちはこのような希望によって救われているのです。」((ローマの信徒への手紙8・23)この希望を大切にしたいと思います。

     

    「東京カテドラルと教区のための祈り」(共同祈願の中で唱和)

    いつくしみ深い父よ、

    あなたはわたしたち教会をこの世に遣わされ、わたしたちがすべての人の救いのしるしとなるよう望まれました。

    どうかわたしたち東京教区に、現代の荒れ野において悩み苦しむ多くの人々のいやし、慰め、励まし、希望となって歩む恵みをお与えください。

    何よりもまずわたしたち自身の間で、互いにいやしと助け、励ましを分かち合うことができますよう、導いてください。

    東京カテドラルとそこで行われる典礼をとおしてあなたの恵み、光が多くの人に現れ伝えられますように。

    わたしたちの主イエス・キリストによって。

    アーメン。