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    東日本大震災「再び3月11日を迎えるにあたって」日本カトリック司教協議会会長談話

    2013年02月25日

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    2013年2月22日

     

    東日本大震災2周年 司教協議会会長談話
    再び3月11日を迎えるにあたって

    日本カトリック司教協議会会長
    大阪大司教 レオ 池長 潤

    東日本大震災から丸2年を迎えようとしています。現在もなお、被災地の方々が平安や希望を取り戻されたとか、復興の目処が立ったとかとは、とてもいえない状態が続いています。そこで、日本のカトリック教会全体に対して、司教協議会会長としてできるかぎりありのままの現状をお伝えし、わたしたちに何ができるかを皆さまとともに考えたいと思います。

    被災地の方々にとって、今、一番の悩み、苦しみ、悲しみ、不安の原因は、ひとことで言うなら、復興の予測がまったくたっていないということにあります。安定して過ごせる住居、放射能汚染除去、産業の回復や就業・就職といった、復興に欠かせない被災地の問題の解決を、あまりにも見通せないことが大きな壁になっています。

    住居に関しては、当初は避難所生活でしたが、今は仮設住宅での暮らしとなり、これからは災害復興住宅へと移られることになります。ただし、それがいつになるのかの見通しは立っていません。そのため、経済力・体力・気力のあるかたは仮設を出て行き、「弱い」かたたちが取り残されてゆく傾向が現われています。残されるかたがたにとっては、新たな精神的苦痛を負うことになり、将来への不安から、自ら命を絶つことに傾く方が増えることへの懸念もあります。

    放射能汚染に苦しむ福島県では、安心して故郷に帰れるのは5年以上先になるといわれていますが、実際にはもっと先になるのではないかと思われます。現在、福島からの避難者は16万人に及ぶとみられています。汚染が除去されないなら、どうして故郷に戻れるでしょうか。さらにこれからも原発が存在する限り、愛する故郷を奪う放射能汚染は繰り返される恐れもあります。人間の知恵は完全ではないのです。

    就業・就職に関しては、将来も保証される安定した雇用先が得られないことから、若い人々の流出が増えています。その背景には、沿岸部に多い第一次産業の立て直しが難しいことがあります。なぜ難しいのか、どうすれば立て直せるのかは解決していかなければならない課題として残されています。

    カトリック教会は、被災地に暮らすかたの心に寄り添うこと、また地域の交わりを形成する支援に力を注ぐことに努めています。

    被災地での支援や全国の修道院での祈りの形で今も続けられているシスターズ・リレー、日本のすべての教会管区が被災地に思いを寄せているしるしであるボランティアベース、教会の交わりを通じて全国から派遣されたスタッフやボランティア。これまでさまざまな形でかかわってこられた皆さまに、心からの感謝と敬意を表します。教会のはたらきが、被災されたかたがたの心をつなぎ、寄り添うお手伝いとなれば有難いことです。

    ボランティアベースは教会が地域に寄り添うための、いわば「基地※」です。かつて避難所生活から仮設住宅へ移行する時にあったように、今また、仮設住宅から災害復興住宅への過渡期にも、これまでお互いに知り合い、なじみになった人々がまた離れ離れになることが懸念されています。地域の交わりを形成する支援が必要なのは、心の交流の寸断による新たな苦しみを和らげることが復興のためにとても大切な要素になるからです。この支援に教会のボランティアベースを活用していただくことを切に望んでいます。

    寄り添わなければ傷も痛みもわからないでしょう。耳を傾けなければ聞こえない声があるでしょう。人間として謙虚で真摯な姿勢を備えていないと、本当の意味で寄り添うこともコミュニティづくりに貢献することもできないでしょう。お一人おひとりの現実に寄り添わせていただくこと、それは支援の一つの形です。けれどもむしろ、支援にあたる側が与えられるものも多いのです。

    これからも、物心両面からの支援を続けながら、心を寄せ続けてくださる全国の皆さま、世界のかたがたとともに祈りましょう。祈りには力があります。祈りは決して忘れないことのしるしです。

     

    あわれみ深い神さま、

    あなたはどんな時にもわたしたちから離れることなく、

    喜びや悲しみを共にしてくださいます。

    今回の大震災によって苦しむ人々のために

    あなたの助けと励ましを与えてください。

    わたしたちもその人たちのために犠牲をささげ、祈り続けます。

    そして、一日も早く、安心して暮らせる日が来ますように。

    また、この震災で亡くなられたすべての人々が

    あなたのもとで安らかに憩うことができますように。

    主キリストによって。アーメン。

    母であるマリアさま、どうかわたしたちのためにお祈りください。 アーメン。

     

    ※仙台教区サポートセンターを中心として、 以下の10のベースなどで支援活動を行っています。