信仰生活の助け

ミサ

復活された主キリストはご自分の体である教会に現存し、今も救いの働きを続けておられます。キリストの恵みは特別のしるしによって現実のものとなりますが、この神の神秘的な働きをわたしたちは秘跡と呼んでいます。

その中でもとくに主日のミサは大切なものです。一つの地域の信者が目に見えるキリストの体としてともに集まり、神のことばを聴き、キリストの死と復活の神秘にあずかって、神の救いのわざを感謝し、そして主の食卓からキリストの体をいただいて、皆がキリストにおいて一つに結ばれます。わたしたちが実際に集まることが大切なのはこのためです。神への義務という次元もありますが、もっと身近に、信者同士がお互いを必要としており、ともに集まって励まし合い、支え合わなければなりません。こうして信仰の絆が確認され、連帯の意識が深められるなかで、ともにキリストの体に結ばれて、社会での生活に送り出されるのです。※1 

どこの教会のミサに参加するか?

日本人、定住(永住)、長期滞在の場合は自分の所属する教会でミサにあずかることが基本です。もちろん、必要に応じて他の教会の母国語ミサに参加することもできます。
短期滞在の場合は住んでいる地域の教会や母国語のミサを行っている地域の教会に参加してください。ただし、子どもの洗礼、結婚、堅信などの諸秘跡を受けることを希望する場合は、所属する教会を決めてください。

各国語のミサの場所、時間などはCTICカトリック東京国際センターに問い合わせてください。

子どもの洗礼

洗礼によってわたしたちはキリストに結ばれて神の民に加わり、またすべての罪をゆるされ、水と聖霊によって新しく生まれます。こうしてわたしたちは神の子と呼ばれ、事実神の子となるのです(1ヨハネ3・1、ロマ8・15)※2。

日本の社会はキリスト教の文化的な環境が十分に整っていません。ですから、子どもがキリスト者として成長するには、家庭の中でキリスト教的な環境と信仰教育を与えていくことが大切です。また、親自身がミサに参加し、教会共同体との交わりが大切です。幼児は家族だけでなく、教会共同体の愛と助けを受ける権利を持っています。そのために日本のカトリック教会は幼児の洗礼について両親が十分な準備をするように勧めています。 

教会の主任司祭に相談

まず、所属している教会、もしくは自分の住んでいる地域の教会の主任司祭に相談してください。教会には「洗礼申込書」がありますので必要なことを記入してください。

セミナーを受ける

主任司祭と相談し、セミナー(洗礼を受ける準備)をできるだけ両親そろって、2、3回受けてください。キリスト教信者でない親も、パートナーや子どもたちが信じる信仰について勉強すること、子どもの洗礼について納得していることが大切です。セミナーは日本語で行っていますが、日本語が難しい場合には各国語のセミナーも準備していますので、主任司祭と相談してください。

洗礼を受ける日を主任司祭と相談してください

セミナーが終了したら主任司祭と相談して洗礼を受ける日、代父母などを決めてください※3。自分たちで勝手に洗礼の日を決めて教会に行っても、日本の教会では洗礼を受けることはできませんので注意してください。

また、洗礼を受けた教会を忘れないようにしてください。堅信や結婚のときに洗礼証明書が必要になります。洗礼証明書は受洗教会に請求すれば発行されます。

子どもの教育

日本の社会にはキリスト教の文化的な環境が十分に整っていません。ですから、子どもがキリスト者として成長するためには、親自身が喜びをもって信仰に生きていること、教会共同体への参加が大切です。ミサに参加し、教会学校に通い、家庭でともに祈ることがキリスト教的な環境と信仰教育を与えていくことの基本となります。

家庭での祈り

家庭での祈りも大切です。幼児のときから、寝る前の祈りや食卓での祈りを大切にしてください。いつもわたしたちの側にイエスがおられることを思い起こしてください。

教会学校

小学生くらいになったら、所属する教会の「教会学校」「日曜学校」などに参加させてください。中学生になると学校教育やクラブ活動に割かれる時間が増えてきて、教会に参加しづらくなりますが、子どもとよく話し合うなど、子ども自身が信仰を深め、教会共同体のなかで喜びを見いだせるように配慮してください。

結婚

結婚は自由意思による男女の合意と誓約によって成り立ち、愛と忠実に根ざした不解消の絆で、神が結んでくださる厳粛なものです。結婚ほ神聖であり、その生活は子どもの誕生と育成の場として、社会の中で独自の使命を持っています。結婚式は単なる装飾や形式ではなく、神と人びとの前で2人の決意を表明し、お互いに絆を結び、恵みと祝福を求める祈りです※4。

自分の所属している教会に相談する

カトリック信者は原則として自分の所属する教会で挙式します。まず、主任司祭に相談してください。所属教会でない教会での挙式を望む場合も主任司祭に相談してください。そのうえで挙式の場所、日時などを決めてください。所属している教会がない場合、自分の住んでいる地域の教会の主任司祭に相談してください。

必要な書類をそろえる

結婚式を申し込む場合主任司祭の指示に従って「結婚申込書」などに必要なことがらを記入して主任司祭に提出してください。それ以外に結婚式のための必要な書類(結婚のための洗礼証明書※5)をそろえてください。外国籍の方の場合、民法上の結婚の際に必要な「結婚要件具備証明書」※6(在日大使館発行)などのコピーを提出していただくこともあります。

結婚講座を受ける

教会が責任をもって挙式を引き受けるために、お2人が独身であることは当然ですが、より豊かな結婚生活のために、「結婚講座」に参加してください。この講座は教会によって内容、方法、言語などに違いがありますので主任司祭に相談してください。

2人でよく話し合ってください

お2人で結婚や信仰生活について話し合ってください。非受洗者との結婚の場合には信仰生活のあり方について理解を深めることが大切です。また国際結婚の場合には文化や生活習慣、家族観の相違などを理解し尊重しあうことが大切です。

再婚の場合は手続きが必要です

どちらかが再婚の場合は主任司祭にそのことを申し出て、教会での結婚式に必要な手続きをとるようにしてください。

国際結婚の民法上の手続き

外国人同士、日本人と外国人との結婚についての民法上の手続きはカトリック横浜教区滞日外国人と連帯する会編の『日本で暮らす外国人のための生活マニュアル』※7などを参照してください。

堅信

堅信によってわたしたちは父のたまものである聖霊をのしるしを受け、主にいっそう似る者となり、聖霊に満たされます。こうしてわたしたちは洗礼のとき宣言した信仰に生き、世にあってことばと行いでキリストのあかしとなり、キリストの体の完成のために働きます※8。

堅信の時期

日本では幼児洗礼のときに堅信は授けません。自己の信仰が識別できる年齢に達してから堅信を受けます。主任司祭に相談してください※9。

堅信の準備

堅信を受けるためには信仰について学ぶなどの準備が必要です。子どもの所属している教会の主任司祭に相談してください。

堅信式

日本では通常、司教が堅信を授けています。堅信の日程は主任司祭に相談してください。

聖体

わたしたちは主の晩さんにあずかり、キリストの体、キリストの血をともにいただき、神の民の一致を深めていきます。同時に自らをキリストとともにささげて、大祭司キリストによってあがなわれ神にささげられた教会に結ばれていきます。また、より豊かに聖霊を注がれて、全人類が神の一つの家族になるように祈ります※10。

初聖体の時期

子どもに聖体を授けるには、その理解力に応じて聖体に対する認識が可能な年齢(通常7歳以上、小学生)になっていることが必要です。

初聖体の準備

自分の所属している教会の「教会学校」や「信仰を子どもに伝えるさまざまな場」で子どもの理解力に応じた準備が必要です。主任司祭に相談してください。

聖体

聖体を受けるにはふさわしい準備が必要です。ミサのはじめに回心の祈りがあります。ここで小さな罪はゆるされ、ふさわしい準備をすることもできます。

ゆるしの秘跡

少なくとも年に1回はゆるしの秘跡を受けてください。どこの教会でも秘跡を受けることができます。最近、多くの教会で四旬節や待降節にミサの中で共同回心式を行い、個別のゆるしの秘跡を受けるチャンスも作っています。また、黙想会などに参加して受けることもできます。母国語でゆるしの秘跡を受けたい方は司祭やCTICカトリック東京国際センターに問い合わせてください。

病者の塗油

病気や事故で入院したとき、お年寄りで体が弱くなったときなどに病者の塗油を司祭に依頼することができます。いつくしみ深い主キリストに、聖霊の恵みによる助け、罪のゆるし、病苦からの解放、救いを願います。

臨終の洗礼

死の危険にある成人は、信仰の主要な真理に関してある程度の知識を有し、受洗の意思を何らかの方法で明示し、かつキリスト教の綻を順守することを約束する場合、洗礼を受けることができます。また、幼児が死の危険にある場合は直ちに洗礼を授けなければなりません。時間的な余裕があれば司祭を呼ぶこともできます。また、司祭でなくても洗礼を授けることができます。「わたしは父と子と聖霊の御名によってあなたに洗礼を授けます」と言って水を額に注ぎます。その後、教会の司祭に洗礼を受けた人の名前、場所などを報告してください。

葬儀

死の準備

病気や事故などで死の危険が迫っているときには所属している教会、もしくは近くの教会の司祭に連絡してください。ご聖体、病者の塗油、ゆるしの秘跡、相談などを依頼できます。

亡くなったら

信者が亡くなった場合、亡くなった方の所属教会の司祭に連絡し、指示を仰いでください。また、自宅などで亡くなった場合、医師の死亡診断が必要ですから、医師や119番などに連絡してください。死亡診断書が届くまで遺体を教会などに搬送しないようにしてください。

日本では

日本では通夜、葬儀(告別式)、火葬と行われ、少し日数をおいて納骨します※11。土葬はあまり行われていません。母国に遺体を持ち帰りたい場合は遠慮なく申し出てください。  >> カトリック東京大司教区 霊園管理事務所

遺体を母国に持ち帰りたい場合

遺体を母国に持ち帰りたい場合は、亡くなった方の家族、親戚、親しい友人などで話し合ったうえで、主任司祭に相談してください。また、在日大使館に連絡をとり、遺体を母国に送るための手続きなどを相談してください。遺体を母国に搬送する場合、高額な輸送費がかかりますのでご注意ください。

所属教会(籍)

教会では受洗教会以外に、所属教会という考え方を大切にしています。教会の司牧的配慮を円滑、かつ効果的に受けるために自分の住んでいる地域の教会に属します。

所属教会

自分の住んでいる地域の教会に所属します※12。秘跡や子どもの信仰教育、相談などを所属する教会で受けられます。もちろん、ミサ、ゆるしの秘跡は所属している教会以外でも受けることができます。

信者籍台帳

所属している教会がない場合、地域の教会に行って籍を起こしてもらうよう主任司祭に申し出てください※13。また、幼児洗礼や初聖体を頼んだときに、その子どもの籍を起こしてもらう(信者籍台帳に記入する)のと同時に両親などの籍を起こしてもらうことができます。信者籍台帳に記載された内容の秘密は保護されます。
この信者籍台帳とは別に、多くの教会では信徒名簿などを作成しています。教会でも慎重に扱うようにしていますが、住所や名前についてのプライバシーを守りたいときは信徒名簿に記載しないように申し出てください。

引っ越しのとき

引っ越しなどで他の地域に移るとき、引っ越し先の教会に籍を移します。所属していた教会の主任司祭に連絡し、転出証明書をもらい、転居先地域の教会の主任司祭に転出証明書を提出してください。国外の場合は洗礼証明書などを発行できますので、申し出てください。

献金

日本の教会は信者数が少なく、小さな教会です。少ない信者の献金で教会を維持し、司祭の生活を支えなければなりません。そのため日本ではミサの中で行われる献金と、毎月定額を教会に納める維持費という2つの献金を行っています。

ミサ献金

ミサの中での献金はどこの国でも行われているものです。自分の教会だけに使われるのではなく、日本や世界の教会のさまざまな教会の活動のためにも使われています。

維持費

維持費、教会費、月定献金とも呼ばれています。各自の事情をふまえ、収入の1~3パーセントを目安に毎月所属教会に納付します。教会の維持管理、諸活動、司祭の生活費などのために使われます。


『ようこそ、カトリック教会へ-ともにより豊かな命をうけるために』より
(1999年10月31日 第6版発行 編集責任:東京教会管区)

  • ※1 『教会所在地 97』から引用
  • ※2 カトリック儀式書『幼児洗礼式』
  • ※3 代父母-代父母になる人は堅信を受けたカトリック信者で、将来その子どもが受ける堅信の代父母も同じ人であることが望ましい。国によって習慣が違いますが、複数の代父母がいる場合でも少なくとも1人はカトリック信者でなければなりません。
  • 洗礼名-聖人の名前などキリスト者としてふさわしい名前を子どもにつけてください。
  • 洗礼証明書-洗礼を受けると、記録が洗礼を受けた教会の台帳に記入されます。子どもが堅信を受けたり、結婚するときにその教会の洗礼証明書が必要になります。
  • ※4 カトリック教会公用書式から引用。
  • ※5 「結婚のための洗礼証明書」(洗礼・堅信・婚姻の絆不存在証明書)が取れない場合はそれに代わるものが発行されます。洗礼を受けた教区の事務所などに問い合わせるようにしてください。また結婚を希望する信者は堅信を受けていることが望まれます。
  • ※6 「結婚用件具備証明書」は国によって発行されない場合もあります。その場合は「宣誓供述書」など結婚要件具備証明書に代わるものがあります。これは民法上の結婚にとって必要です。
  • ※7 日英対訳、(株)スリーエーネットワーク発行。また、日本語スペイン語対訳のものとして、横浜教区滞日外国人と連帯する会編・発行の『移住労働者生活マニュアル』もあります。
  • ※8 カトリック儀式書『幼児洗礼式』
  • ※9 新教会法典第891条及び「日本における教会法施行細則」ではこの年齢の目安は10歳から15歳と決められています。
  • ※10 カトリック儀式書「幼児洗礼式」
  • ※11 火葬とは遺体を火葬場で焼き、骨にしたものを壷に入れて持ち帰ります。通常、その壷をお墓の中に埋葬しますが、自宅などでそのまま保存したり、本国に持ち帰っても差し支えありません。
  • ※12 地域にある教会とは通いやすい教会と考えてください。また、所属している教会でしか、ミサが受けられないということではありません。教会の中には「属人教会」といわれている教会もあります。例えば東京には韓人教会や英語圏信者のための教会があります。そこに所属することもできます。
  • ※13 3か月以上その地域に住む意志のある人は籍をおく権利を持っています。