教区の歴史

教区の歴史

『世界宣教の日』を迎えて

2015年10月18日

カトリック東京教区の教区のすべての信者の皆さん、『世界宣教の日』に当たり、第二ヴァチカン公会議の教え「教会の宣教教会活動に関する教令」発布記念50周年を記念して挨拶を送ります。

復活したイエスは弟子たちに言われました。「あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。」(マタイ28・18) この言葉は今もカトリック東京教区のすべての皆さんの心に、向けられています。

「福音宣教(福音化)」は神の民全員の使命です。日本のカトリック教会はこの使命をよりよく推進することを願って二回にわたり、1986年と93年に、福音宣教推進全国会議」(NICE)を実施しました。そして、生活と信仰、教会と社会に間に『遊離』がある、ということが強く意識され、如何にして信仰と生活を一致させ、また如何にして教会が福音の力によって社会を変革することができるのか、と課題について話し合いました。

わたしたちの東京教区も第二ヴァチカン公会議の教えとNICEの提案を実行に移すための努力を重ねてきました。

その努力は『新しい一歩』(2001年6月25日、岡田武夫大司教)という文書、さらにそれを受けて出された『福音的使命を生きる』(カトリック東京大司教区再編成プロジェクトチーム)によって示されています。2002年6月29日には『教区集会』を開催、宣教協力体構想について皆さんのご意見を伺いました。

また2003年2月24日には『宣教協力体のための指針』を発表しています。

以上の経緯を踏まえて、翌週の10月26日より28日、わたくしはカテドラル構内で「司祭集会」を開催して、教会の使命、東京教区の使命である福音宣教(福音化)、そして、その使命遂行のなかにおける司祭のつとめについてともに祈りながら話し合い、分かち合いをする予定です。

司祭は司教の協力者であり、またよき牧者として、すべての信者を、主イエスの宣教の命令に実施に向けて教え励ますと言う役割を与えられています。

そのつとめをどのようしてよりよく果たすことができるでしょうか。司祭と信徒の関係は如何にあるべきでしょうか。

この機会に上記の、2003年2月24日の『宣教協力体のための指針』の分かち合いと確認を行う予定です。

すべてのキリスト者はキリストの福音を伝え、キリストの愛を生きるようにと召されているのです。

わたしたちは日々、キリストの霊に従う生活をして、キリストを人々にあらわし伝えなければなりません。「霊の結ぶ実は愛であり、喜び、平和、寛容、親切、善意、誠実、柔和、節制です。」(ガラテヤ5・22)

わたしたちがこの聖霊の実りを豊に生きることができますよう、聖霊の照らし、導きを祈りましょう。アーメン。

 

2015年10月18日、世界宣教の日  
東京大司教  ペトロ 岡田武夫