教区の歴史

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2013こどものミサ説教

2013年10月13日

2013年10月13日 東京カテドラルにて

[聖書朗読箇所]

説教

皆さん、こどものミサへ参加のため、カテドラルへお越しいただきうれしく思います。

今年のこどものミサのテーマは「先生、目が見えるようになりたいのです-あなたの信仰があなたを救った-」です。

今日の福音にはバルテマイという目の見えない人が出てきます。場所はエリコというところです。イエスと弟子たちの一行はエルサレムへ向かう途中でした。

エリコといえば旧約聖書の『ヨシュア記』の物語を思い出します。ヨシュアに率いられたイスラエルの民は鬨の声をあげ、城壁が崩れ落ちると町に突入し、この町を占領したのでした。(ヨシュア6・20参照)

それからおそらく1200年以上たって、イエスの一行がエリコを通過したのです。「イエス」という名前はヘブライ語の「ヨシュア」に当たります。つまり、ヨシュアはイエスなのです。

ヨシュアとイスラエルの民はその後カナンを占領し、やがて王国を建設することになります。しかし、イエスの一行はエルサレムで迫害され、イエスは十字架の刑を受けることになります。

さて、エリコではバルティマイという目の見ない人が道端で物乞いをしていました。ナザレのイエスのことを耳にし、必死で叫び声をあげます。「ダビデの子よ、わたしを憐れんでください。」

イエスはその叫びに答えて「あの男を呼んで来なさい」といわれました。男は上着を脱ぎ捨て躍り上がってイエスのもとへ駆けつけました。バルティマイのこの動作に、彼が感じた大きな喜びが現れています。目が見えるようになりたい」という男の願いをイエスはかなえてあげます。

そしてイエスはバルティマイに言いました。「行きなさい。あなたの信仰があなたを救った。」そのあとバルティマイはそのままイエスに従った、とあります。

バルティマイが強く望んだのは「見えるようになりたい」ということでした。今彼はイエスによって見えるようになりました。彼の目はしっかりとイエスを見つめることができました。

この後の彼の人生はイエスについて行くことしかありませんでした。イエスに出会い、イエスをはっきりと見た人は人生が変えられます。

「あなたの信仰があなたを救った。」

なんとうれしい言葉、すばらしい言葉でしょうか!

この言葉をイエスは他の人々にも与えています。福音書では他の箇所でもこの言葉「あなたの信仰があなたを救った」を見つけることができます。

1)12年間も出血をわずらっていた女性を癒したときにも、「娘よ、あなたの信仰があなたを救った。元気に暮らしなさい」(マルコ5・34)と言われました。

2)ファリサイ派のシモンの家で罪深い女に向かってイエスは言われました。「あなたの信仰があなたを救った。安心していきなさい。」(ルカ7・50)

3)重い皮膚病をいやされて戻ってきたサマリア人に言われました。「行きなさい。あなたの信仰があなたを救った。」(ルカ17・19)

昨年の10月11日より始まった「信仰年」はことしの11月24日に終わります。信仰年は信仰を確かめ信仰を深めるときです。

わたしたちはまず福音書から信仰を学びましょう。福音書に出てくる人々の信仰に学びましょう。福音書は、神の憐れみに信頼し必死で神の助けを求める人々を紹介しています。

きょうわたしたちは次のように祈りましょう。

「主イエスよ、もっとあなたをよく知ることができますように導いてください。わたしはもっとあなたがよく見えるようになりたいです。わたしはもっとあなたをよく知りたいです。どうか聖霊をわたしの心に注いでください。アーメン。」