年間第14主日ミサ説教 世田谷北宣教協力体主催 信仰年を考えるシンポジウム 社会に関わるキリスト者 ―第二バチカン公会議から50年―

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2013年7月6日 松原教会にて

[聖書朗読箇所]

説教

年間第14主日の福音で主イエスは平和について語っています。イエスは72人の弟子を任命し、派遣しました。その際、言われました。

「どこかの家に入ったら、まず『この家に平和があるように』と言いなさい。」(ルカ10・5)

わたしたちは平和のために祈り平和のために働くと言う使命を受けています。主イエスは言われました。「平和を実現する人々は幸いである。その人たちは神の子と呼ばれる。」(マタイ5・9)

「平和」とはただ戦争や争いがないという状態ではありません。平和とは神のみ心が行われていること、神の恵みに満たされた状態を言います。

いまから50年前、教皇ヨハネ二十三世は『地上の平和』という回勅を発表しました。教皇は当時の東西冷戦の緊張した国際情勢の中で、世界の政治指導者に対し、地上の平和の実現のために、冷静、賢明、慎重に対処し、協力するよう呼びかけました。

平和とは神のみ心が浸透しているという「秩序」であり、平和の君、キリストの恵みによってもたらされます。教皇はこの秩序を次のように要約しています。

「その秩序とは、真理を土台とし、正義によって築かれ、愛によって生かされ、最後に、自由によって実践されるのです。」

東京教区では、今年の平和旬間には教皇ヨハネ二十三世の『地上の平和』を学び、その教えを実践に移すようお願いしています。

日本カトリック司教協議会はいろいろな機会に平和を訴えるアピールやメッセージを発表してきました。敗戦五十周年に際しては当時の司教全員で『平和への決意』と言うメッセージを出しています。この機会に読んでいただきたいと思います。

きょうはここで、先ほど行われたシンポジウムについて一言感想を述べたいと思います。

第二ヴァチカン公会議は、教会がその使命をよりよく果たすための教会の刷新を求めて開催されました。その結果が十六の公会議文書として発表されました。そのなかで特に『現代世界憲章』は、教会が世界の問題へどのようにかかわるのかということを述べている重要な教えです。

1975年には、公会議10周年にあたり、教皇パウロ六世が『福音宣教』という教えを発布し、教会は社会をより福音の精神にかなった社会に変革するという使命がある、と述べています。

1981年の教皇ヨハネ・パウロの訪日は日本の教会に大きなインパクトを与えました。

司教たちは84年に基本方針と優先課題を発表、87年には第一回福音宣教推進全国会議(NICE-1)を開催し、教会が弱い立場の人々、悩み苦しむ人々にとって近づきやすい、開かれた教会にならなければならないと述べました。1993年には第二回福音宣教推進全国会議(NICE-2)を開催し、家庭の現実から福音宣教のあり方を探求しました。

NICE-1開催から26年、いま「信仰年」を過ごしています。先日開かれた司教総会は「新福音化委員会」の設置を決定しました。

わたしたちは非常に世俗化した社会、世俗的な価値観が支配する環境の中に置かれており、絶えずこの世の精神に取り込まれ、引き込まれるという誘惑を受けています。

上からの光、神の恵みを受けなければ、「福音化」という、神の呼びかけにこたえる務め、を果たすことは何も出来ません。この視点から、現在「聖書の分かち合い」が普及していることは喜ばしいことだと思います。

さらに教会の社会教説を是非学んで欲しいです。

また、ミサ、聖書、教会の教え、日々の祈りなどあらためてその必要性と価値を確認しましょう。(「信仰年」を迎えるにあたり皆さんにお送りした大司教書簡を参照してください。)

現実に足をとられないために、いつも目覚めて上からの光を受けるようにしましょう。

主なる聖霊、どうかわたしたちを助けてください。アーメン。