京葉宣教協力体合同堅信式説教(年間第11主日)

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2013年6月16日 年間第11主日、市川教会にて
(京葉宣教協力体=市川教会・葛西教会・小岩教会・潮見教会)

[聖書朗読箇所]

説教

イエスはファリサイ派のシモンという人の家に食事に呼ばれました。そのとき、「罪深い女」と人々からいわれていた女性もその家に紛れ込んできたようです。どんな人だったのでしょうか?娼婦だったのかもしれません。

イエスはその「罪深い女」に「あなたの罪は赦された」言いました。そしてさらに「あなたの信仰があなたを救った。安心して行きなさい」とも言いました。彼女にとってなんとうれしいことばでしょうか!

しかしこのイエスのことばは同席の人たちを躓かせました。彼らは、「罪を赦すことができるのは神だけだ。イエスは自分を神に等しいものと考えている。それは冒瀆だ」と考えたのです。

確かに罪の赦しは神からしか与えられません。イエスは罪人を赦す神の愛を説いたのです。この罪深い女はこのイエスの教えをどこかで聞いていたのでしょう。罪深い自分でも罪の赦しを受けることができると彼女は知りました。その喜びと感謝を彼女は自分なりの精一杯の行動で表現しました。

一方、ファリサイ派のシモンはイエスを招いたにもかかわらず、イエスを歓迎するために何もしなかったのです。しかしこの女性は精一杯の感謝を表しました。

イエスは言います。

 「この人を見ないか。わたしがあなたの家に入ったとき、あなたは足を洗う水もくれなかったが、この人は涙でわたしの足をぬらし、髪の毛でぬぐってくれた。あなたはわたしに接吻の挨拶もしなかったが、この人はわたしが入って来てから、わたしの足に接吻してやまなかった。あなたは頭にオリーブ油を塗ってくれなかったが、この人は足に香油を塗ってくれた。」

なりふりかまわないこの女性のはしたない行為は人々の顰蹙を買いました。それは状況に合わない非常識な振る舞いでした。しかしそれはこの女性にとって、イエスによって告げられた神の愛への感謝と喜びの表現だったのです。イエスは周囲の目をはばからずにこの女性の行為を受け入れました。

わたしたちは自分の罪の赦しへの感謝をどのように表しているでしょうか?この女性のような信仰をもって感謝しているでしょうか?この女性のように心から有り難い、と思っているでしょうか?

 「信仰年」にあたり、神から受ける罪の赦しのありがたさを少しでも悟らせてくださるよう、聖霊に祈りましょう。

ちなみにルカの福音は他の箇所でも、「あなたの信仰があなたを救った」と言って、特定の人の救いを宣言しています。*

罪の赦しは機械的・自動的に効果を発する神の恵みではありません。「あなたの信仰があなたを救った」とイエスが言われたように、神の愛への信仰を前提としています。「罪深い女」には自分の罪への深い自覚がありました。

人はなかなか罪の自覚を持てないものです。ダビデ王がその例です。

本日の第一朗読は、旧約の英雄、代表的な王であるダビデの罪の話を伝えます。ダビデは「罪深い女」と対照的な態度をとっていました。ダビデは自分の欲望に負けて、姦通と殺人の罪を犯したのです。

しかしそれで悩んだり悔いたりしている様子は見られませんでした。彼は罪の自覚に乏しかったのです。

そこで預言者ナタンが登場します。ナタンを通して告げられた神のことばを聞き、彼は始めて自分の罪を深く自覚しました。この点にダビデの偉大さがあります。

使徒パウロは、「わたしたちは信仰によって義とされる」と説いています。キリストはわたしたちを愛し、わたしたちの救いのために身を献げ、十字架にかかられました。

キリストにおいて現れ告げられて神の愛をより深く信じることができますよう、祈りましょう。

 

今日はこの機会をお借りしてぜひ皆さんにお伝えたいことが、もう一つあります。

ちょうどいまから50年前、ときの教皇ヨハネ二十三世は『地上の平和』という回勅を発布しました。教皇は、「世界の平和は、真理、正義、愛、自由の基礎の上に築かれなければならない」と教えています。今年の平和旬間にはぜひこの教えを学んでいただきたいと思います。

わたしたちは地上での生活と活動のなかで、神の望まれる平和を樹立するために働かなければなりません。神に由来する人間の尊厳を深く自覚し、神から与えられた基本的人権を互いに尊重し、すべての人の生命を大切にするために努力することこそキリスト者の義務であり権利であります。

本日堅信を受けられる皆さんはとくにこの使命を深く心に刻んでください。日本カトリック司教協議会はそのための努力をしております。皆さんのご理解とご協力をお願いします。

 

*ルカ 8・48 出血が止まらない女性に向かって。
   17・19 重い皮膚病を患っているサマリア人に。
   18・42 エリコの盲人へ。