「カトリック生活」1000号記念感謝ミサ説教

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2012年9月8日 碑文谷教会にて

 

第一朗読 イザヤ55・8-11

福音朗読 マタイ28・16-20

 

(福音本文) 

十一人の弟子たちはガリラヤに行き、イエスが指示しておかれた山に登った。そして、イエスに会い、ひれ伏した。しかし、疑う者もいた。

イエスは、近寄って来て言われた。「わたしは天と地の一切の権能を授かっている。だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」

 

「カトリック生活」1000号発行、まことにおめでとうございます。

「カトリック生活」1000号記念感謝ミサのために選ばれた福音の箇所はマタイによる福音の結びの部分です。復活したイエスは山の上で十一人の弟子たちに現れ、すべての民をイエスの弟子にすること、彼らに洗礼を授けること、イエスが命じておいたことをすべて守るように教えること、を十一人に命じたのでした。

わたくしはきょう、次の箇所に注目したいと思います。

「そして、イエスに会い、ひれ伏した。しかし、疑う者もいた。」(マタイ28・17)。「疑うもの」は「迷うもの」とも訳されます。復活したイエスの出現に接した十一人の信仰は最初から確固とした強い信仰であったわけではないようです。

彼らの信仰は次第に強められ深められていきました。使徒言行録の伝える使徒たちの働きは、イエスに躓いた弱い人間と同じ弟子たちである、とは信じがたい確信に満ちた働きです。彼らが聖霊を受けて新しく生まれ変わり、ゆるぎない信仰の証しを行いました。

まさにそれは「わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる」というイエスの言葉の実現でした。

預言者イザヤはすでに次のように述べています。

「わたしの口から出るわたしの言葉も、むなしくは、わたしのもとに戻らない。それはわたしの望むことを成し遂げ、わたしが与えた使命を果たす。」(イザヤ55・11)

イエスはいまも、弟子たちをすべての民に派遣し、弟子たちの働きを通してご自分の使命を遂行しておられます。

わたしたちの教会はことしの10月11日に「信仰年」を迎えます。そして日本のカトリック教会はことし、日本26聖人殉教者列聖150周年と日本再宣教150周年を迎えました。

ことしはこれからの日本の宣教のために祈り、宣教のために学ぶべき、大切な節目の年です。

端的に言って福音宣教とはまず信仰を伝えることです。わたしたちは自分が信じたことを宣言し伝達します。宣教するためにはまず信仰がなければなりません。

しかし、それでは、わたしたちは確固とした信仰を持っているでしょうか?汚れた霊にとりつかれた子をいやしていただいた父親の言葉を思い起こします。

彼はイエスに言いました。「信じます。信仰のないわたしをお助けください。」(マルコ9・24) わたしたちもこの同じ言葉で祈りましょう。「主イエスよ、あなたを信じます。信仰のないわたしをお助けください。」

ヘブライ書には「信仰の創始者であり完成者であるイエス」(ヘブライ12・2)という表現があります。教皇ベネディクト十六世の「信仰年」を告げる教令『信仰の門』でこの言葉を引用しています。「創始者」という表現はむしろ「導き手」とした方がわかりやすいでしょう。

「信仰とは何か」は、イエスの生涯がわたしたちに教えています。

イエスは十字架にかけられ「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」(マタイ27・46)と叫ばれました。

ご存知のようにこれは「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」(マタイ27・46)という意味です。そして、ルカ福音書によれば、イエスは大声で叫ばれました。「父よ、わたしの霊を御手にゆだねます。」(ルカ23・46)

人間は試練の中で動揺し苦悩します。そして信仰を持って自分のすべてを主なる神にゆだねます。信仰とは、疑いや不安、恐れ、迷いの襲われるときに、神への信頼を貫き通すことです。

今日は聖マリア誕生の祝日です。天使の告げを受けたマリアは「どうしてそのようなことがありえましょうか」(ルカ1・34)と言いましたが、「お言葉どおり、この身になりますように」(ルカ1・38)と神の言葉を受け入れました。

婚約者のヨセフはマリアが妊娠したことで心を騒がせたに違いありません。しかしヨセフは信仰のうちにマリアを受け入れたのでした。

信仰とは試練における神への応答です。信仰は試練を通して育てられ清められ成長します。

わたしたちは信仰の弱い者ですが、「信仰年」を迎えるにあたり、この父親とともに、自分の信仰をより確かで強い信仰にしていただけるよう祈りたいと思います。

信仰を深めていただくために祈りが大切です。そして祈りを込めて、福音書のイエスをもっとよく知るようにいたしましょう。主日の福音朗読、そして福音との関係の中で、第一朗読、第二朗読をよく味わうようお勧めします。

またミサのときに唱える「信条」の意味を復習しましょう。信条は最初の教会が信じた信仰の理解を簡潔にまとめた祈りであります。

 

最後になりましたが、「カトリック生活」1000号発行を心からお祝い申し上げます。「カトリック生活」には信仰を養い育て、信仰をあらわし伝えるために有益な記事が多く掲載されています。わたくしも愛読者の一人です。

日本の福音宣教・福音化のために「カトリック生活」がこれからもますます充実し発展することを願っております。

今日は本当におめでとうございます。