コンベンツアル聖フランシスコ修道会司祭叙階式説教

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2012年4月21日 赤羽教会にて

 

受階者 フランシスコ・ザビエル チャン・ヴァン・ホァイ

 

第一朗読 エレミヤ1・4-9

第二朗読 エフェソ4・1-7,11-13

福音朗読 ヨハネ15・9-17

 

コンベンツアル聖フランシスコ修道会のフランシスコ・ザビエル チャン・ヴァン・ホァイさんの司祭叙階式に際して一言申し上げます。

「神は愛です」とわたしたちは堅く堅く信じています。それでも人生のあゆみのなかでこの信仰がゆさぶられることがあることも否定できません。

昨年の3月11日に起こった東日本大震災もそのような信仰の試練の機会となりました。少なくない人が、神様がいるのならどうして罪もない人々が命を落とし、あるいは苦しまなければならないのか、と疑問に思ったかもしれません。

しかし、この悲劇の中で、人の心を打つ出来事、神の愛を告げ知らせるような出来事も報道されました。

宮城県のある防災放送担当の職員は、到来する津波の危険を知らせ、人々に大至急避難するよう叫び続けながら、自らの命を落としてしまいました。この方は結婚を間近に控えていた若い女性であったとのことです。

また、宮城県にある水産加工会社の専務さんは、中国の大連から来ていた研修生20名を高台に避難させた後、自分は津波に飲み込まれてしまいました。

人は、自分の命をかけて人の命を救うという素晴らしい愛の行為を行うことができるのです。

 

ヴェトナムでコンベンツアル聖フランシスコ修道会に入会されたフランシスコ・ザビエル チャン・ヴァン・ホァイさんは2003年に来日され、日本で会員の養成を受け、本日2012年4月21日、司祭叙階の日を迎えました。

「わたしがあなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい。これがわたしの掟である。友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない」(ヨハネ15・12、13)とイエスは言われました。

チャン・ヴァン・ホァイさんは修道会会員として、また司祭として、この愛、主イエスによって示された愛、主イエスが生涯をかけて実行された愛、十字架と復活によって示された愛、を伝え生きるために司祭に叙階されます。

わたしたちキリスト教徒はイエス・キリストによって示された愛を知りました。それは友のために苦しみ、命すら献げる愛であります。

人は本性から言って、自分の楽しみ、自分の利益、自分の評判をほかの人よりも大切にしてしまう、という自己中心な傾向を持っています。しかし、他方、自分を捨てて家族、友人、隣人のために尽くすという素晴らしい生き方を示すことがあります。

わたしたちが今日人間として無事に成長出来たのは、両親を始めとする多くのかたがたのおかげ、多くの方々の無私の愛のおかげです。

愛とは「人のために苦しむ力」「人のために自分を捧げること」ではないでしょうか。

そのような愛は神から来ると思います。

「わたしが父の掟を守り、その愛にとどまっているように、あなたがたも、わたしの掟を守るなら、わたしの愛にとどまっていることになる」(ヨハネ15・10)とイエスは言っています。

わたしたちがイエスの教えてくれた愛を実行するときに、人々は神の存在を認めてくれることでしょう。

現代の荒れ野ともいうべき現代社会の中でわたしたちは、希望の光、生きる喜び、人生の意味を伝え証ししなければなりません。

今年の10月11日より『信仰年』が始まります。『信仰年』は信仰を学び直し信仰を深める年です。50年前に第二ヴァチカン公会議は開かれ、世界の教会で刷新が行われました。『信仰年』は公会議の精神をより深く学ぶ時であります。

ただし、教えを学ぶだけでは足りません。神の愛を日々実行するが大切です。

この叙階式に与るわたしたちが、より深い神の愛を知り実行することが出来ますよう、祈りましょう。