教区の歴史

教区の歴史

調布教会献堂式説教

2008年07月12日

2008年7月12日 調布教会にて

 

朗読箇所
第1朗読  ネヘミヤ8.1-4a、5-6、8-10
第2朗読  Iコリント3.9-11、16-17
福音 マタイ16.13-19

 

調布教会の皆さま、献堂式おめでとうございます。この聖堂がより多くの人々へ向かって、神の愛と光がますます力強く輝き出ますよう、お祈りいたしましょう。2008年6月28日より「パウロ年」が始まりました。来年の6月29日までです。ベネディクト16世教皇様は、わたしたちが特にこの1年、パウロの教えを学ぶようお望みです。 

今日の第二朗読は使徒パウロのコリントの信徒への第一の手紙です。使徒パウロは「キリスト信者は、神の霊、聖霊を受けたものであり、キリスト者の体は聖霊の神殿であり、キリスト信者の共同体は神の建物である」と教えています。わたしたちは聖霊の神殿であり、教会は神の建物なのです。パウロは「神の神殿を壊す者がいれば、神はその人を滅ぼされるでしょう」(1コリント3.17)と警告しています。もし誰かが誰かの家を壊せばその家に住んでいる人を脅かし、攻め、侵すことになります。聖霊の神殿を侵せば聖霊を冒涜することになります。おのおの自分の中に住んでおられる聖霊の声に聞き従い、その勧めを行うように、また兄弟姉妹のなかにおられる聖霊を敬うようにしなければなりません。 

聖霊は復活されたキリストから信者に注がれます。聖霊はキリストの霊であります。聖霊降臨のときにわたしたちの教会は誕生しました。パウロはキリストが教会の土台であると言っています。使徒たちはキリストの霊に従って宣教し、世界に広がる教会を建設しました。使徒たちの中で、ペトロは12使徒の頭であり、最初のローマの司教です。パウロは異邦人の使徒と呼ばれ、ペトロとパウは共に教会の建設に大きな貢献をした二つの礎というべき偉大な使徒です。 

さて、聖霊はすべての人に注がれますが、すべての人が機械的に聖霊を受け入れるわけではなく、その恵みに与っているわけではありません。聖霊の恵みを受けるためには信仰が前提となります。自分の罪を認め神のゆるしを願う人の心のなかで聖霊が働き、神の愛が注がれるのです。「信仰によって人は義とされる」(ローマ5.1参照)とはパウロが力を込めて教えていることです。聖霊の働きを受け入れること、これが神との和解です。この神との和解の上にさらに隣人との和解がなければならず、さらに自然との和解がなければなりません。パウロの年、神との和解、隣人との和解、自然との和解を学んでまいりましょう。そうすることによりわたしたちは神の至福への道を歩むことができるのです。 

日本は殉教者の国です。11月24日にペトロ岐部と187殉教者の列福式が行われます。殉教者の取次ぎによって祈りましょう。わたしたちが神の和解を受け入れ、今の日本において力強く復活されたイエス・キリストを宣べ伝えることができますように。