2008年1月1日 「神の母聖マリア」の祭日の説教

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2008年1月1日 東京カテドラル聖マリア大聖堂にて

 

新しい年を迎えました。皆様、新年明けましておめでとうございます。

一昨日の12月30日は「聖家族」の主日でありました。本日は主のご降誕8日目、「神の母聖マリア」の祭日であり、また世界平和の日であります。今年は教皇パウロ6世によって世界平和の日の第1回が開催されてから40周年にあたります。 

教皇ベネディクト16世は世界平和の日のメッセージ「人類という家族――平和の共同体」を出されました。今、その内容から、わたくしの印象に強く残っている点を紹介いたします。 

教皇様はまず、家庭は生命と愛のゆりかごであり、また家庭は人間の生命の基盤となる、神の定めた制度、社会秩序の原型であると教えます。人はまず家庭において平和についての基本的な体験をします。それは兄弟姉妹の間の正義と愛、両親の権威、病者や高齢者への愛と配慮、困ったときの助け合い、互いに赦し合うことなどです。ですから、家庭は「なくてはならない平和を教える第一の教師」です。家庭は「平和とは何か」を教える最も基本的な場所であります。人類はそれぞれの家庭において平和という重要な価値を教え伝えるという重大な責任を持っているのです。個々の家庭の平和は人類という大きな家族の平和の基礎であり、そこから人類という家族の平和へと発展しなければなりません。人類は同じ神から生まれた大きな家族だからです。 

ところで、人類という家族の住む住居は地球であります。人類は神から与えられた住居である地球という環境を大切にしなければなりません。(地球との平和が大切であるということです)。生態系の均衡に配慮すること、環境保護に努めること、現在の消費生活の在り方を見直し、地球のエネルギー資源の管理には更なる努力が必要です。そのために家庭も団体も浪費を避け、資源の賢明な使用と富の平等な配分に努めなければならないと言っています。 

さらに、人類共通の道徳法について述べます。さまざまな文化の違いを超えて人間は善と悪、正義と不正に関する最も重要な共通の道徳を持っています。すべての人、国家、民族はこの法に従って歩むことが求められているのです。残念ながら現代の世界は依然として深刻な対立と激しい紛争に苦しみ、核保有国は増大しています。強い決意をもって現有核兵器の段階的・ 協調的廃絶へ向かうよう教皇は訴えます。 

聖母の取り次ぎにより、倦むことなく世界の平和のために、そしてわたしたちの平和のために祈りましょう。