教区の歴史

教区の歴史

「聖職者の集い」(テ・デウム)説教

2005年12月26日

2005年12月26日、東京カテドラル聖マリア大聖堂にて 

 

東京教区の神父様、修道者の皆様、そしてすべての信者の皆様、 

2005年という年を見送り、2006年という新しい年を迎えるにあたり、東京教区の神父様、信者の皆様からいただきましたお祈り、ご好意、ご支援、ご協力に心から御礼申し上げます。

2005年を振り返りますと誠に感慨の深い年でありました。わたしたちの教皇ヨハネ・パウロ2世が帰天され、ベネディクト16世が新しい教皇に就任なさいました。また東京教区におきましては、幸田和生補佐司教が叙階されました。また8月にはドイツのケルンで世界青年大会が開催され、日本からも多数の青年と司教、司祭、修道者が参加いたしました。わたくしはこれらの出来事を深く心に刻み、神の導きに信頼して2006年を迎えたいと存じます。 

わたしたちは2003年の復活祭を期して「宣教協力体」を発足させ、また3つの課題を優先課題として掲げて取り組んでまいりました。宣教協力体は今年4年目を迎えます。基本的には今までの歩みを継承させ発展させたいと考えております。ただし、発足に際して発表しました『宣教協力体のための指針』を検討し、必要ならば改訂を行います。3つの優先課題への取り組み、「すべての信者の霊的成長」「外国籍の信徒の司牧とケア、多国籍教会の成長」「心の問題への取り組み」につきましては、司祭評議会などで今までに頂いたご意見を尊重しながら、修正と改善を加える所存です。

カテドラル構内の再構築につきましては、基本的に、大司教着座5周年記念ミサ説教で申し上げた方針と姿勢で進めてまいります。すなわち、この構内がよりよい、より明らかな、「癒し」と「安らぎ」「救い」のしるしとなりますよう努めて行きたいと考えております。 

砂漠のような東京とその周辺で人々の魂は飢え渇き病み悩み苦しんでおります。わたしたち教会は砂漠の中のオアシス・泉となり、人々を神のいのちへと導いていかなければなりません。日本では年間3万5千人もの人が自らのいのちを絶っています。多くの人が深い孤独と生きがい喪失に苦しんでいると 言われています。わたしたちはこの人々に、「よい便り、福音」を伝えていかなければなりません。福音とは罪の赦しの宣言、かけがえのないいのちの価値の宣言であります。キリストの誕生を祝ったわたしたちは、あらためて、すべての人のいのちの尊さに思いを致し、すべての人の存在といのちが神の祝福のうちにあることを力強く宣べ伝えあかしして行こうではありませんか。

新しい年が皆様にとって「父と子と聖霊の交わりの喜び」に満たされた年となりますように、切に祈ります。