教区の歴史

教区の歴史

新しい一歩を踏み出すにあたって -小教区の再編成について-

2001年07月01日

各教会で読み上げられた文書  2001年7月1日

 

カトリック東京大司教区の皆様

 

このたびわたくしは、『新しい一歩』 –21世紀の福音宣教にむけての小教区再編成–というメッセージを発表いたしました。

東京教区では、ここ数年にわたり、宣教司牧評議会において、大司教より、の諮問課題「司祭の高齢化と召命の減少、それに伴う司祭の協力」、そして「小教区の統廃合と共同宣教司牧の可能性」等に取り組んでまいりました。

一昨年末にはアンケートが行われ、それに基づいた答申も行われました。また、司祭研修会のテーマも「司祭人事と教区の宣教ビジョン」「小教区の統廃合・再編成」等、小教区の問題に焦点をあてて行われてまいりました。

そのような動きのなかで昨年9月3日に東京大司教に就任したわたくしは、東京教区が、宣教する共同体、弱い立場の人々の救いとなる共同体として発展することを切に願い、そのためにわたしたちの教区を刷新する決意を表明いたしました。それは東京教区を司牧された前任者の大司教白柳誠一枢機卿と補佐司教森一弘司教のお 2人の意向に沿うことであり、その努力を引き継ぐことでもあると信じます。

そこでわたくしは、東京教区にとって、緊急かつ最重要課題は「小教区の再編成」であると判断し、このたび、そのための「新しい一歩」としてこのメッセージをお送りいたします。

大司教メッセージ『新しい一歩』では、今までのいきさつを説明し、改革の必要性とその理由を述べ、教区の責任者としての抱負を語った後、小教区再編成の構想を記しました。大まかに述べますと、

 

  1. 小教区再編成の出発点として、現行の地域協力体を2ないし3分割し、教区全体を20内外の協力体に再編成する。現在ある小教区はそのまま新たに設立される地域協力体に組み込まれる。
  2. 新しい地域協力体の世話人司祭の選任と、将来的に現在の小教区の役割を地域協力体が担うための準備。 
  3. 会計や事務処理、新しい共同体の位置づけ等の協議、となります。

 

すでに、各修道会・宣教会代表者への説明と意見交換を行いました。また、本日の教会委員連合会でも構想の概要が説明されます。

7月22日(日)には、カテドラルで教区集会が開催され、この構想の説明と皆さんの意見聴取が行われることになっております。その後、新しい司祭メンバーを加えた第二期プロジェクトチームを発足させます。

皆様にお願いしたいのは、各教会そして地域協力体で、今後の進め方やシミュレーションを含めた具体的・積極的な意見・提案、をしていただきたいということです。本年12月までそのような作業・検討を行い、次のステップに移っていきたいと考えております。

わたしたちは弱い人間であり、病んでおり、まちがいを犯し、罪人である集まりです。イエス・キリストがこのような貧しい者を招かれたように、わたしたちも互いにゆるしあい、受け入れあうなかで、他の教区とも連携しつつ、21世紀の福音宣教を力づよく推進するよう、力を合わせてまいりたいと存じます。「主に望みを置く人」として、皆様に支えられながら、この課題に取り組んでまいります。

皆様のお祈り、ご協力を切にお願いいたします。

 

2001年7月1日
東京大司教  ペトロ岡田 武夫