司祭叙階式説教

2017年3月20日、東京カテドラル

[聖書朗読箇所]

受階者
ミカエル 泉 雄生(ゆう)   (東京教区)
パウロ  野口 邦大(くにひろ)(東京教区)

説教

今日これから司祭に叙階される、
ミカエル 泉 雄生(ゆう)さん
パウロ  野口 邦大(くにひろ)さん
そして叙階式に参加しているすべての皆さん

叙階式にあたり、「司祭の務め」について皆さんとご一緒に分かち合いたいと思います。

1.司祭は仕える者です。
今日の聖書朗読と福音朗読が示しているように、司祭は何よりまず人に仕える者であります。
「司祭になる」ということは、人から崇められる人、権威、尊敬、地位、名誉を与えられて、いわゆる『偉い神父様』となる、ということではありません。
頭ではそう分かっていますが心の中では、いつの間にか司祭は、自分が重んじられていないと感じて不安になり、あるいは自分を評価してくれない人に不快を憶えるようになります。

今日の福音が告げているように「誰が一番偉いのか」という問題に心がこだわるようになりかねません。
他の人よりも評価されたいという思いが生まれることは誰しも避けられません。しかしそのこだわりから、「不安、嫉妬、怒り、憎しみ」などの人を苦しめる思いが生まれることになります。この思いは誰にとっても大きな誘惑であります。

司祭の日々はこの誘惑との戦いの日々であると思います。このようなときに、例えば次のように祈りながら、誘惑を退けるようにしてください。

主イエスよ、どうかわたしをお救いください。
人から評価されたいという思いから、
重んじられたいという思いから、
褒められたいという思いから、
認められたいという思いから、
侮辱されることへの恐れから、
見下されることへの恐れから、
非難される苦しみへの恐れから、
中傷されることへの恐れから、
誤解されることへの恐れから、
わたしを解放してください。

2.司祭は司教の協力者であり司祭団のメンバーです。
今日の叙階式の式文がたびたび言っているように、司祭とは司教の協力者です。司教は司祭の存在と協力なしにその使命を果たすことはできません。司祭はまず司教との緊密な交わりに中でしか任務を遂行することができません。

ですから司祭はまず司教の話をよく聴いて頂きたい。もちろん司教も司祭の話をよく聴く者であるはずです。自分の希望、自分の問題、自分の真実を率直に司教に話してください。司教もそうされるに値する、信頼されるべき者であるよう努めるはずです。

そしてまた、司教の協力者として叙階される司祭は同時に、司教を中心とする司祭団へ加入することになります。
「わたしがあなたがたを愛したようにあなたがたも互いに愛し合いなさい」との主イエスの掟はまず司祭の交わりの中で具体的な姿をとって実現されなければなりません。

新しく司祭に叙階されるあなた方は、すでに叙階されている先輩の司祭、年長の司祭を尊敬し、その指導と助言とに謙遜に耳を傾け、その体験と知恵に学ぶよう努めてください。
また、病気の司祭、高齢の司祭を労わり助け、その必要によく応えるよう心がけてください。
日々の宣教司牧活動については何事も仲間の司祭との緊密な連絡と協力のもとに行うようを心がけてください。またあなたの後に続く司祭の召命に特に意を注ぎ、青少年の育成に配慮するようお願いします。

3. 司祭は信徒に聴き信徒に学ぶ者。
教会は信徒、司祭,奉献生活者からなる神の民です。教会の発展のために司祭と信徒のふさわしい協力関係をたえず築かれ新たされなければなりません。
第2ヴァチカン公会議は司祭と信徒とのあるべき関係について次のように述べています。
「聖なる牧者は,教会における信徒の地位と責任を認め,またこれを向上させなければならない。信徒の賢明なる助言をこころよく受け入れ,教会の奉仕のために信頼を持って彼らに任務をゆだね,行動の自由と余地をかれらに残し,さらに,かれらが自発的に仕事に着手するよう激励しなければならない。また信徒から提案された創意,要求,希望を,キリストにおける慈父としての愛を持って慎重に考慮しなければならない。」(『教会憲章』37番参照)

東京教区が、この司祭と信徒にあるべき協力関係のなかで、希望のうちに健全なる発展を遂げるよう切に望んでいます。
特にお二人にお願いしたいのは、信徒が福音宣教へ向けて信頼と、希望、勇気をもって働けるよう、教会の環境を整え、準備をし、信徒の信仰を養成するよう心掛ける、ということです。
これは東京教区の最優先課題です。

聖霊があなた方を守り支え導いてくださいますように。

聖書朗読箇所

第一朗読 エレミヤ1・4-18
第二朗読 1コリント1・26-31
福音朗読 マタイ20・25-28

(福音本文)
そこで、イエスは一同を呼び寄せて言われた。「あなたがたも知っているように、異邦人の間では支配者たちが民を支配し、偉い人たちが権力を振るっている。
しかし、あなたがたの間では、そうであってはならない。あなたがたの中で偉くなりたい者は、皆に仕える者になり、いちばん上になりたい者は、皆の僕になりなさい。
人の子が、仕えられるためではなく仕えるために、また、多くの人の身代金として自分の命を献げるために来たのと同じように。」

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