待降節第4主日・アレルヤ会のクリスマス会ミサ説教

2016年12月18日、本郷教会

[聖書朗読箇所]

説教

待降節第4主日の福音の、今日の福音の主人公はヨセフではないでしょうか。聖ヨセフに対する崇敬は近年とみに高まりました。前教皇ベネディクト16世は辞任する前に、聖ヨセフの名をミサ奉献文に挿入するよう命じる教令を公布しました。
ヨセフは誠に寡黙な人で、福音書を通してヨセフの言葉は記されておりません。実に不言実行の人でありました。
今日の福音によりますと、許嫁のマリアが同居する前に妊娠していることをヨセフは知りました。ヨセフには身に覚えがありません。さだめしヨセフは思い悩んだことでしょう。それは聖霊による結果でしたがヨセフはそれを知る由もなかったと思います。
ヨセフは「正しい人であったので、マリアのことを表ざたにするのを望まず、ひそかに縁を切ろうと決心した」(マタイ1・19)と今日の福音は述べています。離縁すればマリアの姦通の罪は見逃されるのでしょうか。父がわからない子を宿したおとめには厳しい刑罰である石殺しの刑が待っていたはずです。
いずれにせよ、マリアの運命は風前の灯の状態にありました。ヨセフの苦悩は深かったはずです。
そのヨセフがマリアの妊娠は聖霊によるのだということを、夢に現れた天使の告げによって知らされたのでした。

実にヨセフは夢によるお告げを受け、それを信じて、すぐに実行に移す人でした。
イエスの誕生の後、占星術の学者たちが贈り物をささげて帰っていった後、主の天使が夢に現れて、「起きて、子供とその母親を連れて、エジプトに逃げ、わたしが告げるまで、そこにとどまっていなさい」とヨセフに告げると、ヨセフは起きて、その命令をすぐに実行し、夜のうちに子供と母親を連れてエジプトへ避難します。(マタイ2・13-14参照)
エジプトに頼りになる親戚がいたのでしょうか。それは危険な夜の旅でした。エジプトでどのように暮らしたのでしょうか。エジプトから帰国する時も、ヨセフは「起きて、子供とその母親を連れイスラエルの地に行きなさい」という命令を受けてすぐに実行しました。(マタイ2・19-21参照)
さらに、夢のお告げを受けて、ガリラヤのナザレに居を定めたのでした。(マタイ2・23参照)
ヨセフは人生における重要な決定を実に夢にあらわれた天使の告げによって行った人でした。
ナザレでの生活では、12歳の少年イエスが神殿で発見された事件のときに登場していますが、その後のヨセフのことについては、聖書は何も述べておりません。イエスが成人した後亡くなったのではないかと思われます。ヨセフは自分の役割を終えると静かに人生の舞台から退場したのでしょう。

ヨセフはイエスとマリアの保護者であり養育者でありました。ヨセフの存在なくしてマリアとイエスの、地上での生涯は成り立たなかったのです。
現代の人々に求められるのはヨセフのような人ではないでしょうか。ヨセフは日々の地味な生活の中で神のみ心を求め誠実に自分の務めを果たす人でした。ヨセフが現代社会に生きていたらどのような生き方をしたでしょうか。
夢を通して示され神のみ心に従順に生きた一人の男がいた、その名はヨセフ。ヨセフの生涯を感慨深く思わされる日、それが今日の待降節第4主日です。

聖書朗読箇所

第一朗読 イザヤ書 7:10-14
第二朗読 ローマの信徒への手紙 1:1-7
福音朗読 マタイによる福音書 1:18-24

(福音本文)

イエス・キリストの誕生の次第は次のようであった。母マリアはヨセフと婚約していたが、二人が一緒になる前に、聖霊によって身ごもっていることが明らかになった。
夫ヨセフは正しい人であったので、マリアのことを表ざたにするのを望まず、ひそかに縁を切ろうと決心した。このように考えていると、主の天使が夢に現れて言った。
「ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのである。マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである。」このすべてのことが起こったのは、主が預言者を通して言われていたことが実現するためであった。
「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」
この名は、「神は我々と共におられる」という意味である。ヨセフは眠りから覚めると、主の天使が命じたとおり、妻を迎え入れ(た。)

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