教区の歴史

教区の歴史

聖職者の集い、聖ペトロ・聖パウロ使徒のお祝い 挨拶と説教

2016年06月27日

2016年6月27日、東京カテドラルにて

[聖書朗読箇所]

挨拶

わたしたちは本日、教皇大使ヨセフ・チェノットゥ大司教、パヴェル・オビエジンスキー参事官隣席のもと、東京教区の「聖職者の集い」を行い、聖ペトロ・聖パウロ使徒の祭日のミサをお献げし、併せて、司祭叙階60周年のダイヤモンド祝、50年の金祝、25年の銀祝のお祝いを致します。

説教

使徒ペトロ、使徒パウロの二人の使徒は、教会の信仰の礎となった初代教会の中心的な指導者でありました。ペトロは使徒の頭とされ、エルサレムをはじめとして広い地域で宣教活動を行いました。パウロはイエスの弟子たちを迫害していましたが、復活したイエスに出会い、回心して異邦人の使徒となりキリストの神秘を説きあかししました。
二人は異なる使命を受けましたが、「キリストのもとに人々を一つに集め、信仰のあかしのためにともにいのちを献げました・」(今日のミサ叙唱)

おりしもわたくしたちはただいま「いつくしみの特別聖年」を祝っています。「いつくしみの特別聖年」の趣旨は教皇フランシスコの「いつくしみの特別聖年のための祈り」に簡潔に表現されています。
主・イエス・キリストは目に見えない御父の、目に見える御顔です。イエスを通して、目に見えない神の、目に見える赦しといつくしみが現れ伝えらました。イエスに出会った人々は神のいつくしみを知り、自分が神から愛され赦され、使命を与えられている、と信じることができました。

使徒ペトロは、地上でナザレのイエスと親しく生活を共にし、自分が、弱い人間であり罪人であることを自覚しながら、イエスの赦しを信じ、聖霊の注ぎを受けて、勇敢に信仰をあかしし、殉教と遂げました。
パウロは地上のイエスと出会ったことのない、熱心なファリサイ派のユダヤ教徒でした。しかし復活したイエスに出会い、劇的な回心を遂げたのです。

わたしたち東京教区の教会はこの二人の福音宣教の働きを受け継ぎ、復活した主イエス・キリストから聖霊の照らしと力を受けて、キリストから託された使命を遂行しています。
どうか、わたしたちに出会う人々が、「神から必要とされ、愛され、赦されていると感じることができますように」祈ります。

教皇フランシスコは昨年(2015年)と一昨年(2014年)の二回にわたり、「家庭」を議題とする世界代表司教会議を開催しました。そして4月8日、使徒的勧告「愛の喜び(Amoris Latitia)」を発表しています。
わたしたち教会が現代の家庭の諸問題を克服するための照らし助け励ましとなることができますように、心から願っています。

また教皇は回勅「ラウダート・シ」を発表し、わたしたちに警告を発しています。わたしたちが神のみ旨にそって「共通の家」である地球に対して、節度と尊敬をもって接することができますように。

わたしたちは8月の平和旬間に向かって準備を進めています。ことしの副題は「フクシマ、オキナワ」です。
わたしたちがこの問題を正しく理解し、知恵と勇気をもってその解決のために力をあわせることができますように。

間もなく国政選挙が行われます。政治への参加を通して地上の平和の実現のために働くよう、わたしたちは招かれています。市民として平和のためにふさわしい決断と行動を選択することができますように。

現代の荒れ野において多くの人が人生の意味を求め、人生のオアシスを探しています。わたしたち教会が、人生に行き暮れている人々、孤独と空しさ、無意味に苦しむ人々、心身の病気、障がいに悩み苦しむ人々のために開かれた「神の民の家」、人々の慰め、助け、希望となる教会共同体として成長することができますように。

「いつくしみの特別聖年」にあたり、「神のいつくしみ」をより深く学びたいと思います。そして信仰者はだれでも、神のいつくしみを受けて、自分の言葉で自分の信仰を宣言できるよう、助け合い学びあい励ましあいたいと思います。そのために、教区として、信仰の生涯養成を促進する所存です。

様々な思いを込めて、いつくしみ深い神の助けと支えを願い求めましょう。アーメン。