教区の歴史

教区の歴史

カトリック東京国際センター(CTIC)設立25周年記念ミサ説教

2015年07月20日

2015年7月20日 目黒教会にて

[聖書朗読箇所]

説教

カトリック東京国際センター・CTICは設立25周年を迎えました。改めて東京教区の使命とCTICの役割を考えてみたいと思います。

まずきょうの福音を見ましょう。

イエスは昇天に際して弟子たちに言われました。

「わたしは天と地の一切の権能を授かっている。だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」(マタイ28・18-20)

いまわたしたしが東京教区で行っている福音宣教の務めは、このイエスのご命令に基づいています。そしてこのご命令は次の三項目にまとめられます。

1) イエスの弟子をつくること。
2) 弟子に洗礼を授けること。
3) イエスの命令を守らせること。

であります。

ですからわたしたちはイエスの弟子をつくり、洗礼を授け、イエスのご命令、特に「わたしがあなたがたを愛したように互いに愛し合う」という掟を守るように教えなければなりません。

この掟を行うためには、いろいろ難しいことがあります。人には誰にも罪への傾きがあり、自分のことを先にしてしまいます。もっと他の人のことに心を向け、人の心を分かろうと努めなければなりません。このイエスの掟を大切に守り行うためには、ぜひとも聖霊の助けを祈り求めましょう。

きょうはこの機会にわたしが教区司教として日ごろ思うこと、考えていること、お願いしたいこと、についてお話します。

1)試練の中で
わたくしは、東京教区、いや日本の教会は大きな試みのなかに置かれていると感じます。

わたしたちが日々唱える主の祈りは「わたしたちを誘惑に陥らせず、悪からお救いください」という祈りで結ばれます。

ミサではその後、司式司祭は副文で次のように祈ります。

「いつくしみ深い父よ、すべての悪からわたしたちを救い現代に平和をお与えください。あなたの慈しみに支えられ、罪から解放されて、すべての困難にうち勝つことができますように。わたしたちの希望、救い主イエス・キリストがこられるのを待ち望んでいます。」

これはわたしの心からの日々の願いです。皆さんのお祈りをお願いします。

2) 司祭集会

わたくしは、東京教区の召命は、現代の荒れ野における泉でありオアシスであること、また迷い、悩み、苦しむ人々のための「地の塩」、「世の光」である、ということである、と考えています。

東京とその近くの地域にはさまざまな国から来られた、多国籍の方々が住んでいます。わたしたたち教会は、国籍、文化、言語の違いを越えて、主イエスにおいて兄弟姉妹として互いに愛し合うキリストの弟子たちの姿を、日本の社会の人々に指し示さなければなりません。これがわたしたちの使命です。

その使命遂行のなかで東京教区のCTICは重要な役割を担っています。

今年の秋10月の「司祭集会」でこの課題を一緒に考え話し合いたいと思います。

きょうは実に多くの司祭がCTIC25周年記念ミサに参加してくださいました。きょう来てくださった神父さんたちに、ぜひ、秋の司祭集会に出席していただきたいのです。CTICの神父さんたちも是非ご参加ください。

また集会の成果のために教区の皆さんのお祈り、ご支援を切にお願いする次第です。

3)司祭への召命

司祭への召命です。司祭の高齢化し、召命の召命が減っています。神の民を司牧し、現代の荒れ野において福音を宣べ伝える司祭職にふさわしい方が現れてほしいと切に願っています。

特に異文化の間の橋渡しをする司祭が必要です。外国籍の方、移住者の二世代の方に、司祭への召命を考え、そのために祈っていただきたいのです。

4) 平和の実現のために

イエスは平和を実現する人は幸い、といわれました。日本の司教たちは戦後70周年を迎え、平和メッセージを発表しています。英訳もあります。是非お読みいただき、これをもとに、何が出来るか、考えあるいは話し合いをしてください。

特にアジア、東アジアの平和について皆さんの力と祈りを頂きたいと思います。

ご理解とお祈り有難うございます。