教区の歴史

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京葉宣教協力体・合同堅信式 説教

2015年06月21日

2015年6月21日 年間第12主日 市川教会にて

[聖書朗読箇所]

説教

今日、年間第12主日のミサ聖書朗読の趣旨は、今日の集会祈願によって簡潔に表現されています。

「天と地の主である神よ、大きな変化を遂げる現代社会にあって、教会はいつもあなたの力強いことばに導かれています。きょう心を合わせて祈るわたしたちが、あらゆる悪の力を退け、ゆるぎない信仰をつちかうことができますように。」

この「あらゆる悪の力を退け、ゆるぎない信仰をつちかうことができますように」との祈りを、きょう心を合わせてささげましょう。

今日の福音は、ガリラヤ湖で嵐を静めるイエスの姿を伝えています。聖書の世界では、しばしば海や湖は悪の力を現しており、底の分からないほど深い淵、あるいは無秩序の世界を連想させます。イエスは船を転覆してしまいそうな強い風を叱り、湖に「黙れ、静まれ」と言われて、荒れ狂う嵐と湖を黙らせ従わせました。

さて、わたしたちが日々唱える主の祈りは「わたしたちを誘惑に陥らせず、悪からお救いください」という祈りで結ばれます。

そして、ミサではその後、司式司祭は副文で次のように祈ります。

「いつくしみ深い父よ、すべての悪からわたしたちを救い
現代に平和をお与えください。
あなたの慈しみに支えられ、罪から解放されて、
すべての困難にうち勝つことができますように。
わたしたちの希望、救い主イエス・キリストがこられるのを
待ち望んでいます。」

わたしたちは日々、人生の途上で、自分を躓かせ転倒させる悪の力に出会います。 肉であるわたしたちは誘惑に脆い存在です。わたしたちは、しばしば自分の、そしてこの世界の罪、という現実に遭遇します。

わたしたちは日々主の祈りを唱え、誘惑に負けないよう、神の助けを祈っています。

イエスは、このような脆く弱いわたしたちに付き添い、聖霊による助けを与え、わたしたちを支え導いてくださいます。

今日これから行われる堅信式は、聖霊の7つの賜物を与えて、悪に打ち克ち、キリストの福音を伝え、平和のために働く恵を与えます。

7つの賜物とは、司教が受堅者に手を差し伸べて祈る祈願文の中で次のように表現されています。「知恵と理解、判断と勇気、神を知る恵、神を愛し敬う心。」

堅信の秘跡を受ける人は、キリストの弟子として、「地の塩」、「世の光」となり、神の国の到来を告げ知らせ、人々を導き励ます者となるのです。

そのようなキリストの弟子の模範として、わたしたちは蟻の町のマリアと呼ばれる、エリザベット・マリア北原怜子さんを知っています。北原さんの生涯が人々の模範となるということが認められて、2015年1月22日に教皇様から「尊者」という称号を受けました。(配布された北原怜子さんについての小冊子を読んでください。)

神の国、それは平和が実現している状態です。イエスは言われました。「平和を実現する人々は、幸いである。天の国はその人たちのものである。」(マタイ5・9)

「平和を実現する人々」となるためにはまずわたしたち自身が神と和解している者でなければなりません。神との間に平和を受けているものでなければなりません。

日本の司教たちは「戦後70年司教団メッセージ」を発表しています。この冊子を是非読んでください。

提案されていることを受け止め、皆さんそれぞれ、平和のために働く人となり、平和の実現のために互いに協力する者となってください。

この冊子には、司教団の戦後50周年、60周年メッセージもあわせて掲載されております。

是非じっくりお読みくださるようにお願いします。