復活節第二主日(神のいつくしみの主日)説教

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    2015年4月12日 関口教会にて

    [聖書朗読箇所]

    説教

    「あなたがたに平和があるように。」(ヨハネ20・19)

    復活したイエスは弟子たちにそう言われました。弟子たちは、主を見て喜びました。

    非常に印象的な場面です。

    イエスの十字架の出来事に遭遇した弟子たちはどんな心境にあったでしょうか。「弟子たちはユダヤ人を恐れて、自分たちのいる家の戸に鍵をかけていた」(ヨハネ20・19)のです。彼らは恐怖にとらわれていました。

    同時におそらく、悔恨、罪責感にさいなまれていたことでしょう。そろいもそろって弟子たちは先生を見捨て裏切り逃走し、身を隠していたのです。

    その弟子たちにイエスは言われました。「あなたがたに平和があるように。」(ヨハネ20・19)

    この言葉は彼らの心に強く響きました。イエスは彼らを赦している。敵への愛を説いたイエスは自分の教えを実行し、弟子たちを赦したのでした。

    そしてイエスは言われました。「『あなたがたに平和があるように。父がわたしをお遣わしになったように、わたしもあなたがたを遣わす。』

    そう言ってから、彼らに息を吹きかけて言われた。『聖霊を受けなさい。だれの罪でも、あなたがたが赦せば、その罪は赦される。だれの罪でも、あなたがたが赦さなければ、赦されないまま残る。』」(ヨハネ20・21-23)

    わたしたちの教会はこのようにして成立しました。弟子たちの復活体験、そして罪の赦しの体験、聖霊の派遣が教会の成立の基礎となっています。

    イエスの息とはすなわち神の霊である聖霊です。弟子たちはイエスから霊を受け、罪の赦しの福音を宣(の)べ伝える使命を受けました。

    弟子たちの体験によって成立した教会と同じ教会が今ここに存在しているわたしたちの教会、東京教区、そして関口教会です。

    「あなたがたに平和があるように。」(ヨハネ20・19)

    わたしたちは平和の福音を宣べ伝えるという使命を受けてます。

    平和とはまず、弟子たちが体験したように、平和とは神との平和、罪の赦しを受けるという体験です。弟子たちはわたしたちと同じ、弱い、脆い、自分勝手な人間でした。その弟子たちをイエスは愛していました。復活したイエスの言葉、「あなた方に平和があるように。」(ヨハネ20・19)がそのことをはっきりと示しています。

    さて、聖ヨハネ23世教皇は『地上の平和』(1963年)と言う回勅を残してくださった教皇であることを皆さん、ご存知です。また1965年には、第二ヴァチカン公会議において『現代世界憲章』を発布し、現代世界の平和を訴えています。

    「あなたがたに平和があるように。」(ヨハネ20・19)

    この主イエスの言葉は現代世界の中で告げられ、すべての人によって平和を築くための励ましの言葉です。イエスはまた言われました。

    「平和を実現する人々は、幸いである。その人たちは神の子と呼ばれる。」(マタイ5・9)

    さて日本の司教たちは戦後70周年に当たり、メッセージ「平和を実現する人は幸い―いまこそ武力によらない平和を」を発表しています。(2015年2月25日)

    第二次世界大戦の悲惨な体験から、二度と戦争を起こさないという決心のもと、わたしたちは戦争を放棄し、紛争解決のためには武力を行使しないという決意を全世界に向かって表明してこの70年を歩んできたのです。

    戦争放棄という理想はキリストの福音そのものがすべての人に求めている、すべての人がめざし守るべき目標であります。

    世界の平和のために祈りその実現のために力を尽くしましょう。