教区の歴史

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世田谷南宣教協力体合同堅信式説教

2014年10月26日

2014年10月26日 碑文谷教会にて

[聖書朗読箇所]

説教

イエスは言われました。「『心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』これが最も重要な第一の掟である。第二も、これと同じように重要である。『隣人を自分のように愛しなさい。』律法全体と預言者は、この二つの掟に基づいている。」

わたくしはヴァチカンで開かれた臨時世界代表司教会議(シノドス)に出席しました。会議の主題は「家庭」でしたが、正確に言うと、「福音宣教という観点からみた家庭の司牧的課題」というものでした。
会議の中でスコットランド代表の大司教の言われた言葉が心に残っています。

それはおよそ次のような話でした。

「スコットランドではイングランドからの独立をめぐって世論は賛否両方に大きく分かれました。国民投票へ賛成と反対を訴えるそれぞれのポスターが街に溢れました。夫婦の間でも賛否が分かれました。ところが賛成でもなく反対でもない第三の見解を表すポスターが現われました。「We love our neighbors.」、「隣人が賛成の人であっても反対の人であっても、その人を愛します。」という意味ですね。

使徒パウロは言っています。「愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。礼を失せず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みを抱かない。・・・」(一コリント13・4-5)

愛は意見の違いを越えます。

ところで、日本のカトリック司教協議会は現在の日本の家庭の状況を次の三点に要約して教皇庁へ報告しました。
 1) 家族の絆の弱体化
 2) 少子高齢化
 3) 結婚の減少と離婚の増加

わたしたちカトリック信者の家庭も、このような社会の状況の影響を免れません。まして、家族の中で自分だけが信者である、と言う場合も珍しくはありません。

また、たとえ家族全員が信者でも、それぞれが自分の仕事、勉強などで忙しく、いっしょに食事し、いっしょにお祈りする機会も乏しくなっています。家族そろってミサにあずかり、また日々いっしょにお祈りできたらなんと幸せなことでしょうか。今はそれが難しくなっています。

『隣人を自分のように愛しなさい。』

隣人とはまず自分の家族です。自分の家族のために祈りましょう。配偶者、父母、子どもたち、家族のために祈りましょう。日々の祈りの中に家族のために祈りを欠かさないようにしましょう。

わたしたちの生活は家族によって守られ支えられています。家族への感謝を新たにし、いろいろな機会に感謝の言葉を伝えたいものです。

わたしたちはいろいろな欠点を持っており、至らぬ者であります。知らずに家族を傷つけ苦しめていることがあります。「すみません」の気持ちがわたしたちの心にあってしかるべきです。

また、家族であっても互いによく理解し合っているわけではありません。「理解されるよりも理解することを求める」という、あの有名なフランシスコの祈りをいつも心に留めましょう。

臨時シノドスは危険に曝されているイラクの家庭へ向けてメッセージを送りました。イラクだけでなく、世界中で家庭は危険な状態に置かれています。

紛争、戦乱、テロ、人身売買、性虐待、差別、人権侵害、貧困、病気・・・さまざまな悪がはびこっている世界の現実があります。

日本の家庭も問題を抱えていますが、世界のほかの国々からみたら、非常に恵まれていると思います。

今日、堅信の秘跡をお受けになる皆さん、世界中で苦しみ悲しんでいる多くの家庭のために神の助け、神の守りを願って祈ってくださるようお願いします。