主の昇天-歴代大司教追悼ミサ説教

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    2014年6月1日 築地教会にて

    [聖書朗読箇所]

    説教

    主イエスは復活の後40日間にわたり弟子たちに現れ、ご自分が確かに生きているということを弟子たちに知らせました。そして、復活の40日後にイエスは弟子たちの見ている前で地上から離れ、天に昇られました。そのときの様子を本日の第一朗読、使徒言行録が告げています。

    その際、不思議な言葉を残されました。

    「わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」(マタイ28・20)

    地上で30年余りの生涯を送られたナザレのイエスはもはや人間として地上にはとどまっておりません。イエスは復活され、キリストとして聖体などの秘跡を通し、またみ言葉を通し、また貧しい人を通してわたしたちに現れ、わたしたちと会ってくださっているのです。

    わたしたちとキリストとの出会いは信仰による出会いです。イエスは、イエスを信じるわたしたちと共に世の終わりまでいてくださいます。

    イエスは時間を越え場所を越えて、いつもわたしたちと一緒にいてくださいます。そのようなことが可能になるのは、聖霊が派遣されたからです。

    来週の日曜日はいよいよ聖霊降臨の主日です。聖霊はイエスを信じる者に働きかけ、復活したイエスの存在を人々に指し示します。使徒言行録は目覚しい聖霊の働きを示しています。まさに使徒たちの働きの主人公は聖霊でした。

    「主の昇天」はわたしたちに信仰を求めます。信仰が必要です。すでに昇天のときですら「しかし、なかには疑う者もいた」とマタイが告げています。

    信仰とは神の力、神の導きを信じ、自分を神にゆだねて歩むことです。順境において神に感謝することは容易ですが、逆境‐病気、不遇、災害、困難‐の中でわたしたちは神の恵みに感謝することは容易ではありません。

    わたくしは、本日の第二朗読の次の言葉にも注目したいと思います。

    「わたしたち信仰者に対して絶大な働きをなさる神の力が、どれほど大きなものであるか、悟らせてくださるように。」(エフェソ17・19)

    聖霊の働きによってキリストを信じるわたしたちを通して神は偉大な力を表すことができるのです。

    今日の集会祈願で祈りました。

    「全能の神よ、あなたは御ひとり子イエスを、苦しみと死を通して栄光に高め、新しい天と地を開いてくださいました。主の昇天に、わたしたちの未来の姿が示されています。キリストに結ばれるわたしたちをあなたのもとに導き、ともに永遠のいのちに入らせてください。」

    わたしたちは「新しい天と新しい地」に招かれているのです。「新しい天と新しい地」はこの世界が完成したときの状態、神の創造の完成の世界を示しています。(そして、そのようなことを述べる箇所は黙示録21・1、ペトロの手紙二3・13、イザヤ65・17,66・22などです。)

    「新しい天と新しい地」に向かい、希望をもって歩んでまいりましょう。