福音史家聖ヨハネ布教修道会誓願式・誓願記念ミサ説教

    image_pdfimage_print

    2013年10月5日 小金井教会にて

    [聖書朗読箇所]

    第三請願

    シスター ルチア桑葉睦子

    銀祝

    シスター コンソラータ中村喜美子

    金祝

    シスター アナスタジア渡辺斐子
    シスター ミカエラ長谷川嘉
    シスター ゴレッティ長谷川陽子

    ダイヤモンド祝

    シスター ヨハンナ川久保林子

     

    説教

    「神は愛です。」

    この信仰告白はキリスト教の信仰の中心に位置しています。「神が存在すること、その神は愛であること」を福音史家聖ヨハネ布教修道会の会員は各自が頂いた使徒職を通して証し伝えるという召し出しを受けています。

    きょうは会員の皆さんがそれぞれその召命を確認し、誓願を新たにし、神のご加護を祈るときであります。

    この現代の日本社会において、神の愛を信じるということは決して自明のこと、容易なことではありません。それは信仰を妨げる原因が、信じることを難しくする理由がこの世界に多数存在しているからです。

    その理由とは種々の悪の問題です。

    神が存在するのにどうしてこの世界には戦争、災害、病気、貧困等の悪が存在するのでしょうか。東日本大震災が起こったときにも、この問いが問われました。

    また、神の似姿である人間はどうして戦争や殺戮などの悪を繰り返すのでしょうか。

    また人間は善そのものである神によって造られたのに、病気や障がいの苦しみを受けなければならないのでしょうか。

    神が人間を創り、人間に知恵と意志を与えたとき、結果として、人間に自由が、付随する形で与えられました。従って、人間は間違えるという可能性、悪を行い、罪を犯すという可能性も、同時に伴うようになったのです。とは言うものの、自由は人間を成り立たせる存在ですので、神といえども人間の自由を奪うことができません。

    神は無からわたしたちを創られましたが、わたしたちを救うためにはわたしたちからの応答を求めています。神は一方的に人間を支配し人間に強制するということはしません。わたしたちの自由な応答を求めます。そこで、神の全能の行使は人間の自由を前提としての行使であるともいえましょう。

    神の全能はイエスの復活と再臨によって完成する神の支配です。それまでは神のご自分の全能の働きを、忍耐をもって事実上制限されているといえましょう。

    わたしたちの使命は、神と共に苦しみ、神と共に悪を克服する戦いを戦う、という使命ではないかと思います。そして「戦うこと」こそ、神の愛の実行に他なりません。

    実は先日、皆さんからいただいたヨハネ会を紹介するDVDを拝見しました。『聖ヨハネ会の歩みと創立者の霊的遺産』という作品であります。桜町病院創立者戸塚文卿神父様、また福音史家聖ヨハネ布教姉妹会創立者マザー岡村ふくの生涯が述べられております。会の創立には土井辰雄枢機卿が深くかかわっておられることもわかりました。

    会の創立の動機は実に使徒ヨハネが告げる神の愛のあかしにあります。今の時代はいっそう愛のあかしが求められています。人々は真実の愛、無償の愛、打算のない愛を必要としています。

    本日誓願を宣立されるシスター、誓願金祝を祝うシスターがた、知恵と勇気を持って、そして、謙遜に、愛のあかしに励んでいただきたいと願っています。