赤羽教会・堅信式ミサ説教(年間第10主日)

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    2013年6月9日 年間第10主日、赤羽教会にて

    [聖書朗読箇所]

    説教

    イエスの一行がナインという町を通っていたとき彼らは葬儀の行列に出会います。それは、ちょうど、あるやもめの母親の一人息子が亡くなり、その棺が担ぎ出されるところだったのです。なんと悲しい場面でしょう。イエスは母親に深く同情し、死んだ息子に「若者よ、あなたに言う、起きなさい」(7:14)と言われました。イエスの言葉には力があります。その言葉がイエスの口から発せられるとすぐに若者は起き上がったのでした。

    この一人息子の生き返りの話は、本日の第一朗読の、エリヤがやもめの息子を生き返らせた話を思い起こさせます。神はエリヤの祈りに応えて若者の命をお返しになりました。

    エリヤは神に祈ったのですが、今日の福音ではイエス自身が自分の力で死者をよみがえらせたように告げられています。イエスが一人息子を生き返らせた動機は、イエスがこの母親を「憐れに思った」と言う点にあります。

    「憐れに思い」と訳されているギリシャ語原文は、「内臓」を意味するスプラングナを動詞形にしたもので(スプラングニゾマイ)、これは、悲しみへの深い共感、強い同情、心の奥底から突き上げてくる共感を表しています。

    この同じ言葉は、福音書の他の箇所でも使われています。

    イエスが重い皮膚病の人を癒したときに抱いた気持ち(マルコ1・41参照)、また三日間もイエスに従って空腹になった群集に対するイエスの深い同情を表す言葉(マルコ8・2)、また、よいサマリア人が強盗に襲われて半死半生になっている人に対して抱いた感情をあらわす表現(ルカ10・33)、また放蕩息子を見つけたときの父親の気持ち(ルカ15・20)など皆この「はらわたが揺さぶられる思い」を意味することば(スプラングニゾマイ)が使われているのです。

    このイエスの心は父である神の愛を表しています。イエスは人間として、人間の心で人々を愛したのでした。このイエスの人間としての愛を「イエスのみ心」の祭日としてわたしたちは一昨日、ミサで記念しました。

    今日の第二朗読は使徒パウロのガラテヤの教会への手紙です。パウロはこの手紙で、イエス・キリストの啓示を受けて異邦人へ福音を告げ知らせる使徒とされたことを告げています。この福音とは、イエス・キリストによってもたらされた神の愛の福音であります。わたしたちはイエス・キリストによってもたらされた神の愛の福音を深く信じるよう招かれています。

    「若者よ、あなたに言う、起きなさい」(7:14)

    復活したイエスはいまもこの言葉をわたしたちに言ってくださるのではないでしょうか。力落としたとき、悲しみに沈んだとき、希望が見えないと感じるとき、イエスのこの言葉を思い出しましょう。そして祈りましょう。

    主なる聖霊よ、どうかわたしたちの信仰を強めてください。

    これから堅信の秘跡を受けられる皆さん、主イエスにおいて示された神の愛、神のやさしさを深く悟ることができますように、一緒に祈りましょう。

    アーメン。