教区の歴史

教区の歴史

東京韓人教会訪問ミサ説教(三位一体の主日)

2013年05月26日

2013年5月26日 三位一体の主日
東京カテドラルにて

[聖書朗読箇所]

説教 

東京韓人教会の皆さん、こんにちは。

今日は三位一体の主日です。わたしたちの教会は聖霊降臨の日に誕生しました。教会を設立したのは、父と子と聖霊の三位一体の神であります。

そこでわたくしはきょう、わたしたちの教会についてご一緒に考え、ご一緒に祈りたいと思います。

わたしたちの教会はカトリック教会と呼ばれます。「カトリック」とは「普遍」という意味です。わたしたちの教会は同じ神、三位一体の神により設立されました。教会は文化、言語、民族、国家、時代などの違いを超え、同じキリストの教会として存続しています。同じ聖霊が宿り働く教会として発展してきました。

ところでこの教会の「普遍性」は、わたしたちがニケア・コンスタンチノープル信条の中で唱えている信仰告白です。すなわちわたしたちは「聖なる、普遍の、使徒的、唯一の教会」を信じます、と信仰告白しています。

教会は本来、聖であり、普遍的で、使徒的である唯一の教会なのです。この四つの特徴は教会にとって本質的なことです。しかし、この教会の本質的特徴は現在のところ、不完全にしか実現しておりません。

たとえば、聖なる教会について考えてみれば、確かに教会に聖霊が注がれています。しかしわたしたちは依然として、自分の惨めさに悩む人間であり、罪をおかす罪人であります。

第二ヴァチカン公会議が教えているように、わたしたちは「旅する教会」であり、終末の完成へ向かって日々歩んでいます。わたしたちは日々祈りながら、よりふさわしいキリストの花嫁となるよう、自らを清めなければならないのです。

教会の普遍性についてもまだ完成へ向かう途中である、と言えましょう。

ご存知のように、わたしたち、日本と韓国という二つ国の間には、克服すべき色々な課題があります。

問題克服のために大切である、とわたくしが今思う三つの努力目標を申し上げたいと思います。

1.まず互いの理解を深め、お互いの違いを尊重することです。わたしたちは異なる文化・伝統・言語の人々を理解する努力を怠ってはなりません。この点に関して日本人のほうが多いに反省すべきだと思います。

自分自身のことを申し上げますと、もう40年くらい経ちますが、ローマで勉強中、韓国の神父さんたちと同じ家 福音宣教省の寮〈コレッジョ〉に住んでいました。そこでわたしたち日本人が過去において韓国に対して何を行ったのか、そのことを韓国の皆さんがどう思っているのか、ということを体験的に、知ったのであります。

2.同じ信者として、共に祈り、共に聖書を学び、カトリックの教えを学ぶことが大切であると思います。かつて北・文京宣教協力体で、韓人教会の皆さんも参加して、『カトリックの教え』の勉強会が開催されました。ぜひそのような機会を設けていただきたいと思います。

3.ミサで一緒に祈ること。すでに年に何回か、関口教会と韓人教会は一緒にミサをささげていると聞いて喜んでいます。同じみ言葉を聞き、同じキリストの聖体に与るものは互いに赦しあい愛し合うよう努めます。これからもさらにこのようなミサを大切にしていただきたいと思います。

祈りましょう。
主イエスは言われました。「真理の霊が来ると、あなたがたを導いて真理をことごとく悟らせる。」(ヨハネ16・13)

主よ、わたしたちに豊かな聖霊の恵みをお与えください。わたしたちが真理の霊に導かれて、主イエスの教えを正しく理解し実行できますように。

使徒パウロは言いました。「わたしたちは知っているのです、苦難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生むということを。希望はわたしたちを欺くことがありません。わたしたちに与えられた聖霊によって、神の愛がわたしたちの心にそそがれているからです。」(ローマ5・3-5)

愛である聖霊よ、わたしたちに忍耐する力、勇気を持ってみ旨を実行する力をおあたえください。信頼と希望を持って主キリストの道を歩むことができますように。

アーメン。