教区の歴史

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主の昇天ミサ説教

2013年05月12日

2013年5月12日 麹町教会にて

[聖書朗読箇所]

説教

きょうわたしたちは主の昇天を祝います。天のおん父はイエスを死者のなかから復活させました。弟子たちは復活したイエスに出会い、大いに喜び励まされました。イエスは40日間にわたり出現なさり、ご自身が生きておられることを弟子たちにお示しになりました。

そして40日目に天に上げられました。そのとき、弟子たちに命じて言われました。

「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい。」(マルコ16・15)

弟子たちはこのお言葉に従って世界中にいって、主イエスの福音を宣べ伝え、またイエスの弟子をつくったのです。わたしたちの国日本にも、1549年、聖フランシスコ・ザビエルがはじめてキリスト教を伝え、多くの人が洗礼を受け、信者となりました。

ところでイエスは地上を離れる前に約束をなさいました。その約束とは、弟子たちに聖霊を送る、という約束です。

聖霊は神の霊、イエスの霊です。神の命です、神の力、神の愛そのものです。ヨハネの福音は聖霊を「弁護者」とよんでいます。ヨハネの福音では次のように言っています。

「弁護者、すなわち、父がわたしの名によってお遣わしになる聖霊が、あなたがたにすべてのことを教え、わたしが話したことをことごとく思い起こさせてくださる。」(14・26)

このイエスの約束は聖霊降臨の日に実現しました。わたしたちは次の日曜日に聖霊降臨を記念します。聖霊降臨の日に教会が誕生しました。聖霊はそのまま教会に留まっています。

聖霊は今も、教会にとどまり、わたしたちに、神の言葉の意味を悟らせ、神の言葉を実行する力を与えてくださいます。天に昇られた主イエスは聖霊と一緒にわたしたちとともにいてくださるのです。

主イエスはミサのときにわたしたちとともにいてくださいます。ご聖体に主イエスはおられます。福音の言葉が告げられるときにイエス様はそこにおられます。そしてもっとも小さなまずしい人々のなかにイエスはおられます。

今わたしたちに必要なことは、この信仰、主イエスがいつもともにいてくださり、わたしたちを照らし教え導いてくださる、という信仰ではないでしょうか。

ところで、今日は特に皆さんにお願いしたいことがあります。

皆さん、日本ではキリスト教信者は非常に少ないです。他方、多くの人が、救いを求めています。多くの人が悩み苦しみ、そして孤独です。人生の意味を探し求めています。

イエスは言われました。「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい。」

わたしたちは日本に住んでいる人々にイエスの福音、教えを伝えなければなりません。そのためには司祭が必要です。

いまの教会の大切は課題のひとつは司祭の召命です。つまり、主イエスの呼びかけに答えて司祭になる人が非常に不足している、ということです。ぜひ皆さんのなかから司祭になる人が出て欲しいと願っています。どうかよい牧者となる司祭を送ってください、と祈りましょう。

この願いを込めて、聖霊の導きを願い、ご一緒に祈りをささげましょう。

アーメン。

 

※福音の朗読箇所は、本日の典礼暦で指定された箇所ではなく、子どものミサのために特別に選ばれた箇所です。