アレルヤ会総会ミサ説教

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    2012年5月11日 東京カテドラル関口教会にて

     

    第一朗読 使徒言行録15・22-31

    福音朗読 ヨハネ15・12-17

     

    復活されたイエス・キリストは、弟子たちに聖霊を送りました。聖霊降臨の日に新しい教会が、誕生したのです。

    使徒たちの活動を告げ知らせる使徒言行録が、毎日、ミサの第一朗読として、読まれております。使徒言行録の主人公は、聖霊であります。使徒たちは、聖霊に照らされ、聖霊に教えられ、聖霊に励まされて、勇敢に福音を宣べ伝えました。

    このようにして誕生し発展してゆく最初の教会で重大な問題が起こりました。それはユダヤ人の習慣、ユダヤ人が守るべきこととされていた掟を新しい教会の信徒が守らなければならないのかどうか、という問題であります。さらに具体的に言えば、割礼の問題です。ユダヤ人はアブラハムに始まって、男子は割礼を受けることになっていました。この割礼を受けなければ救われないという者がいて、大論争になったのです。

    そこで使徒たちはエルサレムに参集しこの問題を論議いたしました。そして結論は割礼を施すという習慣を守る必要はない、ということになったのであります。

    ペトロは次のように言いました。

    「わたしたちは、主イエスの恵みによって救われると信じているのですが、これは、彼ら異邦人も同じことです。」(使徒15・11)

    聖霊は異邦人にも与えられ、異邦人も主イエス・キリストを信じるならば、救いに至ることができる、と彼らは確信いたしました。そこで使徒たちは、次のように決議いたしました。

    「聖霊とわたしたちは、次の必要な事柄以外、一切あなたがたに重荷を負わせないことに決めました。」(使徒15・28)

    これはいわば、最初の公会議といわれるエルサレム会議でありました。もし、この会議で割礼を守らなければならないとなりますと新約の教会、新しい教会は誕生せず、依然としてユダヤ教の共同体として存続することになってしまったかもしれません。

    さて、今年は第二バチカン公会議が開かれてちょうど50年にあたります。教皇ベネディクト16世は、第二バチカン公会議開催50年を記念して2012年10月11日より「信仰年」が始まると宣言しました。第二バチカン公会議は1962年10月11日に開催されたのです。「信仰年」を、信仰を深める年とするようにと望んでおられます。

    教会はいろいろな問題、いろいろな課題に直面するたび、聖霊の指導を受け、その時代、その場所において教会の使命を果たすように努力しそして今日まで発展してまいりました。今日の福音において主イエスは言っております。

    「わたしがあなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい。これがわたしの掟である。」(ヨハネ15・12)

    様々な掟、命令があるとしても最終的に、このイエスの言葉「わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも愛し合うこと」という掟に集約されるのであります。

    わたしたち日本の教会が日本の社会の中でこのイエスの命令を守っているならば、人々はわたしたちを見て神の存在を信じ、イエス・キリストの教えを信じ、そしてわたしたちの教会に加入していただけるのではないかと思います。

    多くの人が悩み、疲れ、そして迷っている今の時代、わたしたちはもう一度聖霊の導きに信頼し、よく祈り、そして日々の生活の中でイエス・キリストの教えるキリストの愛、神の愛を実行するようにしたいと思います。

    そしてまたわたしたちは、自分の信仰を自分の言葉で説明し伝えることができるようにあらためて学びを深めていきたい。何を信じているのか、どのように信じているのか、ということを自分自身が自分の言葉でお話しできるようにわたしたちは勉強し、そしてまたそのためにもお祈りしなければならない、と思います。

    わたしたちがミサの時、唱えるお祈りの言葉の中で大切なものに信仰宣言、それから主の祈りがございます。この信仰宣言、そして主の祈りの言葉の意味をもう一度学び直すことは非常に有益ではないかと思います。

    是非皆さん、「信仰年」にあたり、この宿題、教皇様がわたしたちに伝えているこの課題をしっかり受けとめて祈り、そして学びを行っていただきたいと思います。