教区の歴史

教区の歴史

麻布教会ミサ説教(復活の主日・堅信式)

2012年04月08日

2012年4月8日 麻布教会にて

 

第一朗読 使徒言行録10・34a、37-43

第二朗読 コロサイ3・1-4

福音朗読 ヨハネ20・1-9

 

今日のヨハネの福音は、イエスが十字架で死んで三日目の出来事を伝えています。

マグダラのマリアが、イエスが葬られた墓に行ってみると、墓の入り口の石が取り除けられてあり、墓のなかにはイエスのなきがらは見当たらなかった、と告げています。これは、復活の出来事自体の目撃者の報告ではありません。聖書は復活したイエスに出会った人々の証言を伝えています。わたしたちはこの証言を信じています。

きょうの第一朗読では使徒ペトロが確信に満ちた証言を行っています。

「イエスは、方々を巡り歩いて人々を助け、悪魔に苦しめられている人たちをすべていやされたのですが、それは、神が御一緒だったからです。わたしたちは、イエスがユダヤ人の住む地方、特にエルサレムでなさったことすべての証人です。人々はイエスを木にかけて殺してしまいましたが、 神はこのイエスを三日目に復活させ、人々の前に現してくださいました。 しかし、それは民全体に対してではなく、前もって神に選ばれた証人、つまり、イエスが死者の中から復活した後、御一緒に食事をしたわたしたちに対してです。」(使徒10・38-41)

ペトロは十二使徒のかしらにたてられ、ローマで殉教しました。

教会は復活を信じる神の民、そして、聖霊を受け、聖霊に導かれた神の民であります。2千年の教会のあゆみの中で、必要に応じて全司教の会議である公会議を開催されました。ちょうど50年前の1962には第二ヴァチカン公会議が開かれました。第二ヴァチカン公会議開催五十周年を記念して教皇ベネディクト十六世は今年の10日11日から翌年の11月24日を『信仰年』とする、と宣言しました。

第二ヴァチカン公会議の教えのなかで特に『教会憲章』と『現代世界憲章』が大切です。

『教会憲章』は「Lumen gentium (諸国民の光)」という言葉で始まります。

「キリストは諸国民の光であるから、聖霊において参集したこの聖なる教会会議は、すべての被造物に福音を告げることによって、教会の面上に輝くキリストの光をもってすべての人を照らすことを切に望む。」(1項)

教会の使命は、主イエスより光を受けてその光によってこの世界を照らすことであります。東日本大震災から一年、日本社会は復興への険しい道を歩んでおります。復活のキリストの光を受けて人々の心に光を灯すことができますよう、今日は特に祈りましょう。

『現代世界憲章』では、現代世界における教会の使命が述べられています。『現代世界憲章』はGaudium et spes(喜びと希望)という言葉で始まっています。

「現代人の喜びと希望、悲しみと苦しみ、特に貧しい人々とすべて苦しんでいる人々のものは、キリストの弟子たちの喜びと希望、悲しみと苦しみでもある。真に人間的な事 がらで、キリストの弟子たちの心に反響を呼び起こさないものは一つもない」

教会は世界の現状に深い関心を寄せ、人々の悲しみ喜びに深い共感をもち、その問題解決のために力を尽くすよう召されています。わたしたちが、熱意と喜びをもってこの責任を果たすことができますよう祈りましょう。

今日堅信の秘跡を受けられる皆さん、皆さんはきょう、聖霊の七つの賜物を受けられます。それは、「知恵と理解、判断と勇気、神を知る恵み、神を愛し神を敬う心」です。この賜物を受けて、現代日本社会の中で喜んで信者の務めを果たすことができますよう、祈りましょう。