東京教区修道女連盟研修会ミサ説教

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    2012年1月4日 マリアの宣教者フランシスコ修道会聖堂(聖母病院聖堂)にて

     

    第一朗読 一ヨハネ3・7-10

    福音朗読 ヨハネ1・35-42

     

    1.東京教区修道女連盟の今年の研修会で聖パウロ修道会の鈴木信一神父さんの講話を伺うことができまして幸いでした。鈴木神父さんは4つの福音書が告げるイエスの特色の違いをわかりやすく話してくださいました。今日の福音はヨハネです。鈴木神父さんによればヨハネにとってイエスは、「父から派遣された方」です。

    今日の福音ではイエスの弟子たちの召し出しが告げられています。わたしは特に、ヨハネの子シモンの召命に注目したいです。彼はケファ=ペトロ(岩という意味)と呼ばれ、使徒たちの中心人物、最初のローマの司教となりました。

     

    2.イエスから呼び出された弟子たちはイエスの復活の後、聖霊を受けました。そのとき、すなわち聖霊降臨の日にわたしたちの教会が誕生しました。イエスは宣教のために使徒たちを派遣し、教会を建設しました。教会は世界に広がり、やがてこの極東の日本にも福音がのべ伝えられ、そのおかげでわたしたちの教会が今ここに存在しています。

     

    3.教会とは派遣されたもの、父と子と聖霊によって派遣されたキリストの弟子たちのことであります。わたしたちはこの東京と千葉県に派遣されています。それでは何を行うために派遣されているのでしょうか?わたしたちの使命は何でしょうか?

     

    4.わたしは大司教に就任以来ずっとこのことを考え続けてきました。教皇様は就任のミサの説教で「現代の荒れ野」ということを言われました。わたしはまさに東京には、現代の荒れ野があると思いました。

    現代の荒れ野にオアシス・泉をもたらすことこそ東京教区の使命ではないかと思うのです。わたしは2012年を迎えるに当たり、その思いを『東京教区ニュース』に載せましたので、ぜひお読みください。

     

    5.教皇ベネディクト16世は2012年10月11日より2013年11月24日の期間を『信仰年』とすると宣言されました。わたくしは教皇様の宣言を受けて次のような目標を立てました。

    1)自分たちの信仰を深め、信仰をあかししよう

    現代は信仰の危機の時代と言われます。わたしたちは自分が信仰を与えられた日に立ち戻り、自分の信仰を確かめ、そして深めなければならないと思います。

    そのためには具体的実践目標が必要です。今日実行したわけですが、福音書のイエスをより深く知ること、聖書の学びと分かち合い、ミサはもちろん、教会の祈り、霊的読書などを大切することなどがあります。

    2)聖体訪問の祈り

    先ほど質疑の時に出てきましたが、わたしはご聖体への信仰を大切にしていただきたい。度々聖堂を訪れご聖体訪問し、主イエスの前で祈ることを心がけてほしいとわたしは願っています。

    3)第二ヴァチカン公会議の教えを学ぼう。

    公会議の公文書は膨大です。それを復習することが勧められますが、それは大変です。その代わりにまず、『カトリック教会のカテキズム』を学ぶことを勧めます。

    本書には第二ヴァチカン公会議の教えと最近の教皇様の教えが豊かに収められています。今から20年前、ベネディクト16世がラッツィンガー枢機卿のときに、ヨハネ・パウロ2世の命により、ラッツィンガー枢機卿を委員長とする編集委員会によって編纂されたのがこの『カトリック教会のカテキズム』です。ぜひこれを勉強していただきたい。

    最近さらに『カトリック教会のカテキズムの要約』(コンペンディウム)も出版されました。ただし結構難しい部分もあり、同伴する案内人がいることが望ましいと思います。

    『カトリック教会のカテキズム』の序文で述べられていますが、各国の司教協議会はこれを基本にして、地域の文化と事情に合わせた地域のための新しい教理書を編集するようにと勧めがあります。

    日本の司教たちは4人の著者による『カトリック教会の教え』を編纂し、出版しています。こちらもあわせて読んでいただきたい。

    大切なことは、イエス・キリストのメッセージを、どのような表現でどのように伝えたら現代の人々の心に響かせることができるのか、ということであります。

    自分の経験と自分の言葉をとおしていかに福音を人々に伝えるのかと言うことが現代の荒れ野におかれているわたしたちの課題であると思います。

    4)無縁社会のなかで

    2011年の特徴を表わす漢字は「絆」とされています。東日本大震災によりあらためて絆の大切さをしみじみ思わされています。

    社会の片隅で多くの人が病み、疲れ、孤独に苦しんでいます。すすんでそのような人の友となるよう心がけたいものです。

    「無縁社会」ということが言われて久しく、現代の社会で血縁、地縁、社縁が廃れ薄れ壊れていると言われます。

    ここに12,763人という数字があります。これはわが東京教区の居所不明者の数です。教会のなかにも「無縁社会」があるとしたら悲しいことです。

    主イエスに倣い、勇気を出して、自分の殻から出て、病気、障がい、孤独等に苦しむ人の友となりましょう。それこそ「神は愛である」ことを伝える福音宣教・福音化の道であると信じます。

    そのために聖霊の導き、照らしを祈りましょう。