教区の歴史

教区の歴史

聖職者の集い(聖ペトロ・聖パウロ使徒の祝い)説教

2011年06月27日

2011年6月27日 東京カテドラル関口教会にて

 

第一朗読 使徒たちの宣教(使徒言行録12・1-11)

第二朗読 使徒パウロのテモテへの手紙(二テモテ4・6-8,17-18)

福音朗読 マタイによる福音(マタイ16・13-19)

 

  きょうわたしたちは使徒ペトロと使徒パウロのミサをささげ、教皇ベネディクト16世の司祭叙階60周年を祝い、また東京教区におられる神父様方の司祭叙階60周年、50周年、25周年のお祝いを致します。

わたしたちの教会はイエス・キリストによって選ばれた使徒たちに由来する使徒継承の教会であります。使徒たちのなかで使徒ペトロと使徒パウロは際立って重要な役割を果たしました。ペトロは十二使徒の頭であり、ローマで殉教した、最初のローマの司教であります。

使徒パウロは激しくキリスト教徒を迫害した人でしたが、復活したキリストに出会って回心し、異邦人の使徒となり、ローマ郊外で斬首の刑を受け、キリストの使徒としての生涯を全うしました。

今日の第二朗読でパウロは「わたしは戦いを立派に戦い抜き、決められた道を走りとおし、信仰を守り抜いた」といっています。パウロの生涯は激しい戦いの生涯でした。

今日はわたしたちもパウロに倣って信仰の戦いを立派に戦い抜き天の父のもとへ凱旋することができますよう、ともに祈りましょう。

いまわたしたちちは3月11日の東日本大震災のさなかに置かれています。多くの人が震災のために苦しみ深く悲しみ、大きな不安を抱いています。

皆さんは日本の7歳の少女エレナさんの話をご存知でしょう。エレナさんの質問に、教皇様はテレビの番組を通してお答えになりました。日本の教会の牧者の一人として、教皇様が7歳の日本の少女の質問に真摯にお答えくださったことに、わたくしは感動しました。まさによい牧者としての働きを示された教皇様に心から感謝申し上げます。

未曾有の災害に直面したわたしたちは国を挙げて復興に取り組んでいます。わたしたちも祈りをささげながら、わたしたちにできる支援を行い、復興と新しい創造のために力を尽くしたいと存じます。

災害がなくとも人生には苦しみが伴います。人生は苦しみです。仏教では四苦八苦と言う教えがあります。わたしたちの課題は司祭としていかにして人々の苦しみ悲しみ、悩みに寄り添うのか、ということではないでしょうか。

わたしたち司祭が自分の受けた聖なる務めを忠実に果たすことができますよう、聖霊の助けと導きを願いましょう。また多くの人が司祭への召命に答えることができますよう、祈りましょう。

まもなく7月1日、イエスの聖心の祭日を迎えます。ご聖体の主イエスのもとに赴き、苦しむ悩む人々とともに信仰の戦いを戦い抜き、自分の人生を、香り高いささげものとしてささげることができますよう、祈りましょう。

1891年6月15日は日本で始めての首都大司教区が誕生し、最初の東京大司教としてピエール・オズーフ大司教様が任命されました。ことしは東京大司教区誕生120周年の年です。

東京教区の皆さん、これからの東京教区で司教・司祭として牧者の務めを果たす司教、司祭のために祈ってください。彼らがいつも主イエスと共に歩み、主イエスから受けて使命を忠実に実行することができますように。