高円寺教会創立75周年記念ミサ

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    2004年5月9日、高円寺教会にて 

     

    最近しきりに心に浮かぶ言葉があります。「新しい天と地」という言葉です。今日の第2朗読、「ヨハネの黙示」(黙示21・1)に出てくる言葉です。「新しい天と地」は希望の言葉です。「見よ、わたしはすべてを新しくする」と主は言われます。その時が来ると、「天と地」、すなわちこの世界、宇宙は一新され、神の支配が確立されます。そういう時が必ず来る、それがわたしたちの信仰です。今の世界の状態はその完成へ至る途中の状態です。神の支配がまだ及んでいない部分があります。いや多いと思わざるを得ません。今の世界、この社会、戦争や紛争、殺人などが絶えません。また多くの人が病気や障害などで苦しんでいます。しかし、「新しい天と地」が実現すると、その時には一切、そのようなことは消滅します。そういうメッセージです。いつ、どのようにして神がそう なさるのか、わたしたちには分かりませんが、神は必ずそうなるように取り計らわれます。 

    「戦争は人間の仕業です」というヨハネ・パウロ2世の広島での平和宣言は今なおわたしたちの耳と心にこだましています。戦争は不可避的に起こる自然の災害ではなく、人間のなす所業、悪行です。戦争は人間が行なうものですから、行なわないようにできるはずです。しかし、実際、人類の歴史は戦争の歴史となっています。神様が造られた世界ですが、何か大切なものが壊れていると思わざるを得ません。何か基本的な部分が欠落しているとも考えます。人類が心から回心しなければ新しい平和な世界は来ないでしょう。わたしたちは心から新しく生まれ変わらなければならないのです。 

    イエスは「新しい掟」を与えてくださいました。「互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。互いに愛し合うならば、それによってあなたがたがわたしの弟子であることを、皆が知るようになる」(ヨハネ13・34-35)と言われました。人と人、国と国がこの掟を実行するならば、必ず「新しい天と地」は実現するでしょう。いやすでに実現しているのです。始まっているのです。今日の集いは新しい天と地の到来のしるしであると思います。「新しい天と地」の到来の証人となるということがわたしたち教会の使命です。それは簡単なことではなく「戦い」を必要としています。戦いとは罪と悪との戦いです。その戦いには苦しみが伴います。「わたしたちが神の国に入るには、多くの苦しみを経なければならない」(使徒4・21)と本日の第一朗読の使徒行録で言われているとおりです。 

    罪と悪との戦いのなかには、自分自身の問題、罪と弱さとの戦いを含んでいます。わたしたち教会は、共同体としても個人としても、自分自身の問題を見つめなければなりません、教皇ヨハネ・パウロ2世も2000年の大聖年を迎えるに際して教会の過去を真摯に反省するよう呼びかけを行われました。わたしたちもいま真摯に自分たちの状態を反省したいと思います。個人としても、思い、言葉、行い、怠りによって人を傷つけたことを心から、神と兄弟姉妹にお詫びいたしましょう。 

    昔「公教要理」で7つの罪源ということを学びました。もう古くなった教えとも思われるかもしれませんが今日でも大切にすべき教えです。すなわち、これは多くの罪の源となる7つの悪慾、高慢、物欲、色欲、ねたみ、貪食、憤怒、怠惰のことです。聖霊の働きによってわたしたちがこのような罪から逃れ清められ、日々、新しい人として成長させてくださるよう、聖霊の恵みを心から祈りましょう。アーメン。