2002年3月3日、司祭叙階式説教 – 司教の協力者であり喜びである司祭

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    関 光雄さんと福島一基さん、 

    今日はあなた方が久しく待ち望んできた日、多くの人が待ち望んできた大切な日、司祭叙階の日です。

    数知れない多くの人があなた方のために祈り犠牲を捧げてきました。いまあなたがたは神の民の前で司祭という奉仕の職を受けようとしています。教会にとって、司教にとって大きな喜びのときです。同時にお二人にとっては新しい出発のとき、決意を新たにするときです。

    これから行われる叙階の儀のなかで司教は次のような祈りを唱えます。

    「全能の父よ、あなたに仕えることを望むこの人たちを司祭団に加え、すべてを聖とする霊を新たにしてください。司教に協力する勤めを授かり、日々の生活の模範によってすべての人を正しい道に導くことができますように」。

    この祈りは叙階が有効であるために必要な祈りであり、叙階の秘跡の本質を表す大切な祈りです。この祈りによって聖霊の賜物が授けられます。

    きょう特に申し上げたいのはこの祈りが示している内容についてです。

     

    1. 司祭と司教

    司教は使徒の後継者であり、イエス・キリストの使命を受け継ぐものです。その司教は司祭の存在と協力なしにその使命を果たすことができないのです。司祭はまず司教との緊密な交わりの中で任務を遂行します。不肖わたくしはあなたの司教です。

    あなたがたの働きはわたくしの働きです。あなたがたの奉仕が感謝され喜ばれるとき、自分自身が感謝され喜ばれるように感じます。あなたがたが受ける光栄はわたくしの光栄であり、それはイエス・キリストの光栄であります。実に司祭は司教の助けて、喜び、慰めです。

    しかし、他方、司祭の言動が人を苦しめ躓かせていると言われるとき、司教は自分自身のこととして苦しんだり悲しんだりするのです。

    そのように、司教と司祭の関係は切っても切れないものであるとよく承知してください。

     

    2. 司祭の間の協力

    ところで、司教の協力者として叙階される司祭は同時に、司教を中心とする司祭団へ加入することになります。

    主イエスは最後の晩餐に際し新しい掟を残されました。「わたしがあなたがたを愛したようにあなたがたも互いに愛し合いなさい」。この言葉はまず司祭の交わりの中で具体的な姿をとって実現されなければなりません。

    新しく司祭に叙階されるあなたがたは、すでに叙階されている先任者、年長者の司祭を尊敬し、その指導と助言とに謙遜に耳を傾け、その体験と知恵に学ぶよう努めてください。また、病気の司祭、高齢の司祭をいたわり助け、その必要によく応えるよう心がけてください。

    日々の宣教司牧活動については何事も仲間の司祭との緊密な連絡と協力のもとに行うよう心がけてください。またあなたの後に続く司祭の召命に特に意を注ぎ、青少年の育成に配慮するようお願いします。

     

    3.司祭と信徒

    教会は信徒、司祭、奉献生活者からなる神の民ですが、教会の発展のために司祭と信徒のふさわしい協力関係をたえず築かれ新たにされなければなりません。

    第2ヴァチカン公会議の『教会憲章』は信徒と司祭のあるべき関係について次のように述べています。

    まず司祭に対する信徒の態度について述べます。

    「信徒はその知識、才能、識見に応じて、教会の利害に関する事柄について自分の意見を発表する権利、時にはそうする義務を持っている。このような場合には、教会がそのために制定した機関を通して行うべきであって、常に真実と勇気と賢慮を持って、聖なる職務のためにキリストの代理をつとめる人々に対する尊敬と愛のうちに行わなければならない。」

    ついで司祭について述べます。「聖なる牧者は、教会における信徒の地位と責任を認め、またこれを向上させなければならない。信徒の賢明なる助言をこころよく受け入れ、教会の奉仕のために信頼を持って彼らに任務をゆだね、行動の自由と余地をかれらに残し、さらに、かれらが自発的に仕事に着手するよう激励しなければならない。また信徒から提案された創意、要求、希望を、キリストにおける慈父としての愛を持って慎重に考慮しなければならない。」(37番参照)

    この教えにしたがって、司祭と信徒のあるべき協力関係を築いていかれるよう切にお願いいたします。

     

    2002年司祭叙階式の説教の結びにあたり、この席をおかりして、お集まりの皆様、司祭、信徒、修道者の皆様に特に申し上げたいことがあります。

    本日の福音でイエスは言われます。

    「父よ、あなたがわたしたちの内におられ、わたしがあなたの内にいるように、すべての人を一つにしてください。彼らもわたしたちの内にいるようにしてください」。

    イエス・キリストにおいてすべての人を一つに集めることが父である神のむ旨であり、そのためにわたしたち教会に聖霊が注がれています。教会の中でのひとり一人の役割は異なっていても同じキリストの体をつくり成長させる聖霊の働きです。

    イザヤの預言で告げられる神の僕の姿を実現されたイエスは今わたしたち教会に、イエスに倣い従ってくるよう招いておられます。

    2001年6月、大司教メセージ『新しい一歩』を発表して東京教区は、このイエスの招きにより忠実に答えようと務めています。司教と司祭は今、各地域協力体よりいただいた提言・意見を参考に、具体案を作成し検討しております。

    どうかよりいっそうのお祈り、ご理解、ご協力をお願いいたします。