教区の歴史

教区の歴史

International Day

2001年05月13日

2001年5月13日

 

「新しい世界へ向かって」をテーマとする2001年の、第11回 International Day に際し、色々な国々、色々な所から今日ここにお集まりの皆さんに、こころからご挨拶申し上げます。

今年度もこのように多数の皆様がこの「おまつり」に参加してくださいました。すべての皆さんに、とくにこの行事を企画し、準備し、運営してくださった委員会の皆様に厚く御礼申し上げます。

今年のテーマは「新しい世界に向かって」です。

21世紀を向かえたわたしたち人類は、新しい、よりよい世界を築いていくよう招かれています。わたしたち人類が国境を越え、民族・文化の違いを超えて、新しい世界を建設することが今日ほど切に望まれる時代はないと思います。

この要請に積極的に応えていくことこそ、わたしたちの教会の使命であります。

主なる神はわたしたちに聖霊を送り、わたしたちを日々新たに生まれかわらせ、わたしたちの働きを通してこの世界を刷新しようと望んでおられます。

皆さん、力をあわせてよりよき新しい世界の建設に励んでいこうではありませんか。

ところで、この新しい世界の建設のためにわたくしは以下の3つの努力目標を掲げ、皆さんの理解と協力を要請したいと思います。

第一に、まずここにつどうわたしたちは、互いの違いを認め、それぞれの文化・伝統、特徴を尊重しなければなりません。神はそれぞれの国民に神の美しさと輝きをお与えになりました。わたしたちはきょう、感謝のうちにその賜物を分かち合います。

第二に、率直に自分の過ちを認めることです。

他の民族・国民に対して行った過ちや侵害行為を認め、そのゆるしを請わなければなりません。教皇様は先日、ギリシャ正教の最高指導者Christodoulos大司教にたいして、カトリック教会の犯した過ちを認め謝罪しました。

日本、ならびに日本のカトリック教会も過去において日本がアジア・太平洋の国々に対して行った過ちや侵略を認め謝罪し、新しい世界の建設に向かって、力をあわせるように努めなければならないでしょう。

第三に、わたしたしは互いに弱さを担い合うべきです。

主イエスはわたしたちと同じ弱い人間となり、十字架を担ってくださいました。わたしたちも互いに兄弟姉妹として弱さを担い合うべきです。

わたしたちが互いの違いを超えて、赦しあい、受け入れ合い、助け合って歩んでいくならば、人々はそこにキリストがおられることを知るようになるでしょう。

現在の日本には、一つの危うい流れと傾向がみられます。それは新しい、国家主義・民族主義への動きです。個人の尊厳よりも国家の利益を優先させるということ、あるいは他の民族・国民を排斥し、その名誉をそこないその権利を侵害するなどのことは、イエス・キリストの教会とは絶対に相容れないことです。

聖霊がわたしたちの心を照らし、わたしたちが真実を大切にしながら、互いに誠実に歩むことができますよう、また、聖霊の助けにより、困難のなかでも勇気をもって兄弟姉妹として愛し合って歩んでいくことができますよう、切に祈りましょう。