教区の歴史

教区の歴史

千葉中央宣教協力体・合同堅信式

2016年09月22日

2016年9月22日、茂原教会

[聖書朗読箇所]

説教

先に、マタイ福音書を引用したいと思います。「そのとき、イエスは言われた。『あなたがたは地の塩である。だが、塩に塩気がなくなれば、その塩は何によって塩味が付けられよう。もはや、何の役にも立たず、外に投げ捨てられ、人々に踏みつけられるだけである。あなたがたは世の光である。山の上にある町は、隠れることができない。また、ともし火をともして升の下に置く者はいない。燭台の上に置く。そうすれば、家の中のものすべてを照らすのである。そのように、あなたがたの光を人々の前に輝かしなさい。人々が、あなたがたの立派な行いを見て、あなたがたの天の父をあがめるようになるためである。』」  

これから、千葉中央宣教協力体の合同の堅信式が行われます。堅信の秘跡によって、みなさんは聖霊の賜物をお受けになり、イエス・キリストへの信仰を力強く証し、述べ伝えることができるようになります。  
聖霊の賜物、それは、「知恵と理解、判断と勇気、神を知る恵み、神を愛し、敬う心」と、今日、これから行われる堅信式の祈りの言葉の中で述べられております。  
今日の第一朗読は、聖霊降臨の場面であります。マリア様を中心として集まって、聖霊の賜物を祈り求めていた弟子たちの上に、聖霊が舌の火の形をして現れました。このときに、わたしたちの教会が誕生いたしました。  
わたしたちは、今、聖霊の時代を歩んでいると言えましょう。わたしたちの日々の生活は、聖霊による生活、聖霊から照らしを受け、聖霊の導きを受けて、毎日を神様にお捧げする生活であります。  

ところで、聖霊は、わたしたちの心の状態に応じて働くということもいえます。わたしたちが熱心に祈るならば、聖霊が豊かに注がれます。聖霊の働きを妨げる心の状態があるならば、まず、わたしたちは深く反省し、心を聖霊の働きに向けるようにしなければならないと思います。自分のことばかり考えたり、自分の必要に心が追われていたりすると、聖霊がよく働くことができないのだと思います。  

先日、マザー・テレサ、コルコタの聖テレサの列聖の記念のミサが、東京カテドラルで行われました。そのときに申し上げたことを、今日も繰り返して申し上げます。  
この聖人が、日頃祈っていた、祈りというものがいろいろとあるようですが、一つ、わたしの心に強く迫ってくる祈りがあります。イエス・キリストに向かって、次のように祈られたそうです。

どうか、主イエスよ、わたしを解放してください。
人から評価されたいという思いから、わたしを解放してください。
人から重んじられたい、ほめられたい、他の人よりも好ましく思われたい、相談されたい、認められたい、そういう思いから、わたしを解放してください。  

そのように祈っていたそうでありますが、このような心は、わたしたちの中にもありますね。マザー・テレサも人間として、そのような心の動きを感じていたのかもしれません。  

もう一つのことです、最近繰り返して申し上げておりますが、人間の心というものは、大変厄介なものであります。 仏教では、煩悩ということを言っています。この煩悩の中に、三つの毒があるそうです。この三つの毒というのは、次の三つだそうです。  
貪(むさぼ)る。欲深いことですね。いろいろなものが欲しくて、そして、なかなか満足しない。そういう「貪(むさぼ)り」。  
それから、次は、憤り、妬むこと、人が自分よりも良い状態にあると面白くない。あるいは、自分の思い通りに物事が行かないと、怒りを覚える。そういうことだそうです。  
そして、三つ目は、「癡(ち)」という難しい字ですけれども、頭の中で思い浮かべていただきたいのですが、病気の病の「やまいだれ」という字がありますが、この中に「疑(うたがい)」という字を書くのですね。これを「癡(ち)」と読むのだそうです。  
わたしたちがよく知っている字は、「やまいだれ」の中に知識の「知」ですけれども、元々は「疑(うたがう)」という字だったそうです。  

一体どういうことかというと、これは、ものがわからない、「無知である」という意味だそうです。  
「わたしたちは、いわば、闇の中に置かれていて、そして光が届かないので、本当のことがわからない。自分自身の本当の姿がわからない。すぐそばにいる人のことがわからない。その人がどのような考えを持っているか、どのような思いを抱いているかということも、察しはしますが、よくはわからない。その他、いろいろなものの道理がわからない。全くわからないわけではないのですね。よくはわからない」といった状態を表しているのだそうです。  

イエスは言われました。「わたしは、世の光である。」。わたしたちの場合は、光を受けて、そして、わたしたちが正しく判断し、正しく行うことができるように、聖霊がわたしたちを助けてくださいます。聖霊の七つの賜物、堅信のときに授けられる賜物は、「知恵と理解、判断と勇気、神を知る恵み、神を愛し、敬う心」であります。  

堅信を受けられるみなさん、今日からより賢く、そして、より善悪がよくわかるような人となってください。そのために、よく祈ること、いろいろなことに心を奪われてしまわないで、神様の言葉、主イエス・キリストの教えに、いつも耳を傾けるように、努力いたしましょう。  
朝起きたときは、今日一日を神様にお捧げしますと祈り、一日が終わって寝るときは、今日一日の反省を行い、そして、神様のみ心に背いたこと、背いたかもしれないことについて、お詫びをするようにしてください。